【司法試験】

H29司法試験145位合格者日誌

~インプットの方法(刑訴編その3)~


こんにちは。

 

今回も前回に引き続き刑事訴訟法についての私のインプットの方法です(H28の司法試験刑訴法論文過去問のネタバレアリです)。

 

私のH28司法試験刑訴法の再現答案の反省記事ばかり続けてしまって申し訳ありません。今回で終わります。

 

まず,設問3については,自分の中で「まあこんなものだろう」というレベルには書けていました。今見てもここに関しては大きな反省点はありません。

 

設問4については,以下のとおりです。

 

第3 〔設問4〕

 1 手続の経過

 乙及びその弁護人Uは、公判前整理手続において、裁判所からアリバイ主張について可能な限り具体的に明らかにされたいとの救釈明を受けて、犯行当時、終日丙方にいたと釈明しているが、丙方の場所はJ県内と漠然としか答えていないし、「丙」の名前も本名かどうか分からず、丙方で何をしていたかどうかも覚えていないとも釈明していて、これでは何も答えていないに等しい。

 2 手続の結果  

 本件争点は第2の通りとなっており、あくまで争点は乙方にいたかどうかであり、丙方にいたかどうかとはなっていない。

 3 乙が公判期日で供述しようとした内容

 乙は犯行当時J県に所在する戊方にいたことを前提に、戊方で何らかのテレビ番組を見ていたことを供述しようとした。

 4 295条1項により制限できるか

 この点、同条の趣旨は、既にした尋問若しくは陳述と重複するとき、又は事件に関係のない事項にわたるときにそれを許すと、争点の蒸し返し、広範囲化が起こり、訴訟の遅延が生じうるため、その権利を濫用して刑の言い渡しまで公判を引き伸ばそうとすることを防止することである。よって、争点の蒸し返し、広範囲化が起こるような場合には、同条項によって供述を制限することができる。

 本件では、1で述べた通り、乙及び弁護人Uが釈明した内容はそもそもほとんど中身のないものであり、実際2の通り、争点整理された結果はその内容を踏まえたものとはなっていない。そして、3の通り、Uの質問やこれに対する乙の供述は、1や2の内容となんら矛盾するものではなかった。

 とすると、争点の蒸し返し、広範囲化が起こるとはいえない。

 5 以上より、裁判長は同条項により制限できない。  

 

この年の出題趣旨・採点実感等を見られた方はお分かりになると思いますが,この再現答案は全く的外れな内容です。

それもそのはず,この問題には最決平成27年5月25日という元ネタ判例があるものの,私はその存在を全く知らなかったからです(もちろん,この判例を知らなくても現場思考で解けた方はいらっしゃるでしょうが,私には絶対無理です)。  

 

ここで私自身注意したのは,この設問が全然できなかったからといって,最新判例のチェックに勤しむ必要はないということです。  

 

なぜなら,それに時間をかけるよりも,古典的知識の習得に注力した方が良いのは明らかだからです(既知の判例でも,正確にその内容を把握していないことがあることについては,前回の記事も参照。もちろん,同じ傾向が続いた場合に備えて,最新判例を意識することが大事だとは思いました)。  

 

それよりも,この設問での反省点は,おそらく全く点がもらえないであろう内容をダラダラと書くよりも,設問1に時間をかけるべきだったということです。  

 

「分からないところはサッと切り上げて,分かるところに時間をかける」という基本的な答案戦術が身に着いていなかったことを自覚しました。  

 

現在の司法試験は,事実の摘示への配点が比較的多い(と当時私は考えていたし,今もそう考えています)ので,何はともあれ事実を書きまくれば,とりあえず点数は入ると考えていました。  

 

しかし,上記の再現答案のように,方向性(=規範・論証)が間違っていると,いくら事実を書いても点数が入らない。とすると,同じ「分からない設問」でも,書くべき規範・論証すら全く分からない設問(H28司法試験刑訴法でいうと,設問4)ではなく,設問の焦点はよく分からないけれども,書くべき規範・論証はとりあえず分かるという設問(H28司法試験刑訴法でいうと,設問1)で事実を書きまくるべきということを学んだのでした。

  

次回に続く!