【司法試験】

H29司法試験145位合格者日誌

~憲法論文の勉強方法その2~


こんにちは。

 

先週に引き続き,憲法の論文の勉強の仕方について書いていきたいと思います(平成28年度司法試験憲法論文のネタバレありです)。  

 

前回の記事で,私の平成28年度司法試験憲法論文の再現答案を掲載しました。  

 

今回は,それを用いて,その年の反省点及びその克服方法を形成していった過程を書かせていただこうと思いますので,まず一度前回の記事を見ていただくようお願いします。 しつこいですが,今年の司法試験では大きく出題形式が変化したので,以後私が書く勉強方法の有用性は半減しているかもしれませんので,その点差っ引いて読んでいただけると幸いです。  

 

まず一つめの反省点は,〔設問1〕と〔設問2〕の適切な論述量の配分ができていないということです。  

 

平成29年度までの司法試験憲法論文で採られていた主張反論形式の出題については,平成27年度の問題の中で主張:反論:私見の配点割合が40:10:50と明示されました。  

 

とすると,論述量としても,そのとおり配分するのが適切だと思われます。  

 

もちろん,配点割合が書いていない年度の問題でも同じ配点割合となっているとは断言できませんし,書くべき内容が書けてさえいれば,それを〔設問1〕で書いていようと〔設問2〕で書いていようと,いずれにせよ加点されるという可能性も否定できません。  

 

したがって,論述量の配分にこだわりすぎるのもコスパが良くないとは思います。  

 

しかし,適切と思われる配分と実際の論述配分がずれているということは,書きすぎあるいは書き足りないということの表れである可能性が高いので,内容面の確認を重点的に行うべきです。  

 

私の答案を見ると,〔設問1〕に比べて〔設問2〕の論述量が明らかに少ないです。  

 

これは,時間配分を間違えたということもありますが,問題の本質は次の反省点にあります。  

 

二つめの反省点は,憲法の基礎知識が非常に薄く,潜在的争点に全然気づけていないということです。  

 

たとえば,本問で問題となっているプライバシー権については,本問で使うどうかは別にして,“プライバシー外延情報”なる概念があり,それを知っていれば,プライバシー権と評価されるものの中でもより重要なものとそうでないものがあり,本問の事情の下では重要といえるかどうかという視点を持つことができたはずです。そうすれば,審査基準定立の場面で,権利の重要性という観点から争点を設定することができたはずです。  

 

そのような視点がごっそり抜け落ちた結果,私の再現答案は,ほとんど配点がないと思われるところばかりを長々と書いたものになっています。  

 

三つめの反省点は,これもまた他の反省点と連動することですが,問題文の事情を存分には使えていないということです。  

 

私としては,継続監視がなされうる期間が20年であるということなど,問題文に出てきた架空の条文等問題文の事情をふんだんに使って,点数を取れたつもりでした。  

 

しかし,たとえば審査基準の定立の場面で,私は「自由1は人格的生存に必要な重要な利益である。また、自由1は精神的自由に属するところ、精神的自由は経済的自由に比べて一度傷つけられると民主性の過程によって回復することが困難であり、専門的技術的判断の余地が少ないことから裁判所の審査能力も十分であることから、厳格な審査基準が妥当する。」などと論述していますが,なぜ「人格的生存に必要」なのか,なぜ「重要」なのか,その理由の説明に問題文の事情を全然使えていません。  

 

抽象論では点数は入りづらいにもかかわらず,二重の基準論の論証をただ貼り付けただけになっているのも,(そもそもプライバシー権に二重の基準論が妥当するのかどうかという点は置いておくにしても,)とにかく問題文の事情を使って説明するという意識が欠けているからだと思いました。  

 

四つめの反省点は,主張反論の形式を守れていないということです。  

 

たとえば,せっかく〔設問1〕で継続監視がなされうる期間が20年であるという問題文の事情を挙げて,違憲方向に導くものとして評価しているのに,〔設問2〕では,手続的に不利益を緩和する規定が置かれていることなどを挙げて,安易に合憲と結論付けており,〔設問1〕で書いたことへのアフターケアがされていません。  

 

この主張反論の形式を守るという作業を本試験現場で実践するのは,たしかに難しいことではありますが,ただ練習せずどうせできないと最初から諦めるのは絶対に間違いでしょう。  

 

五つめの反省点は,基本的事項も疎かであるということです。  

 

本問では法令違憲を問われているのだから違憲無効にしたい条文を特定する,プライバシー権に二重の基準論を用いるのは少なくとも一般的ではない,誘導にない平等原則への言及はしない等,基本的事項も守れていません。  

 

以上,五つの反省点を踏まえて,私が次年度に向けてどのような勉強方法を採るべきと考えたか,次回以降説明させていただきたいと思います。

 

次回に続く!