【司法試験】

H29司法試験145位合格者日誌

~行政法のインプット(その2)~


こんにちは。

 

前回に引き続き,行政法のインプットの方法をお伝えしたいと思います。

 

前回は,私の平成28年度司法試験論文行政法の再現答案を載せましたが,インプット面での反省点としては,第3〔設問3〕で使用した違法性の承継の規範,これが不正確であるということが挙げられます。

 

再現答案では,「①先行行為と後行行為が密接に関連し(実体的基準)②先行行為を取消訴訟において取消すことを期待することが不合理といえる場合(手続的基準)」と書かれています。

一方,実際の判例の論証では,①同一の「機関」により「同一の目的を達成するために行われるものである」こと,②先行処分が後行処分「と結合して初めてその効果を発揮する」こと,③先行処分について,「その適否を争うための手続的保障がこれを争おうとする者に十分に与えられてい」ないこと,④先行処分の効力を争おうとする者において,先行処分「によって直ちに不利益を受けることはなく,」後行処分「があった段階で初めて不利益が現実化すると考えて,その段階までは争訟の提起という手段は執らないという判断をすることがあながち不合理であるといえない」ことが挙げられています(最判平成21年12月27日)。 再現答案の規範は,最低限の要素は含まれているとは思いますが,あくまで最低限であり,合格点を取るためにはあてはめに多大な労力をかける必要があります。

 

すなわち,現在の司法試験は法律論よりも問題文の事情をいかに多く使えたか,答案の紙面上に書き記せたかに配点が多く振られていると考えられる以上,規範が大雑把でも,あてはめを充実させれば高得点が期待できるところ,そこであてはめが薄くなれば,ほとんど点数が入らないということです。

 

一方,そもそも規範を細かく書いていれば,その規範に見合う問題文の事情を自動的に拾うことになり,点数が入りやすくなります。

 

もちろん最も効率的な試験対策は,「普段のインプットでは大雑把に規範を覚えて,試験本番では問題文の事情を大量に使ってあてはめをする」というもので,これができれば何の問題もありません。 しかし,これを実践するためには,規範をみっちり覚えた人に比べて,試験本番でのあてはめ作業に要する時間・能力への依存度が高くなり,①速読力及び素早い事案の把握力②問題文の事情を大雑把な規範と照らし合わせてどのようにあてはめるかをその場で思い付ける処理能力③圧倒的な過去問・類似問題経験等が必要になります。

 

初回受験の時は,私はそれらを備えていなかった上,そもそもそれらが必要になるということにも無自覚でした。

 

そのため,設問一つを丸々白紙,その他の設問でのあてはめも不十分ということになってしまったのです。

 

規範の暗記に走りすぎるのはよくありませんが,一方で規範は大雑把でよいと考えるのも危険だというのが今回私が皆さんに伝えたかったことです。 次回は,私が実際にインプット学習に用いた演習書等を紹介しながら,具体的な勉強内容を書いていきたいと思います。

 

次回に続く!