【司法試験】H30合格者ブログ

~僕の失敗、からの更生記~



第8話

民事の異常な薄情

-または私は如何にして惨敗するのを止めて成績を愛するようになったか-

  

みなさんこんにちは!

 

前回もお話しした通り、私は現在弁護修習中ですが刑事と民事を満遍なく触れることができています。ここで実感したのは、要件事実は予備試験や司法試験だけでなく実務でも重要であること、また、実務には法律だけでは決め手にならない現実世界ならではの泥臭さで訴訟の帰趨が決することです。

 

予備試験の民事系については、この後お話しするとおり、本当に苦労しました。民法・商法・民訴、いずれも序盤の出だしが悪かったこともあり、乱高下してしまいました。正直合格年の成績も運による部分が否定できません。それでも、私が苦しんだ過程を見ていただければ何かのヒントになるのではないかと思ってお伝えしていきたいと思います。

 

【民法】  

昔の歌ではないですが、私の民法の成績はジェットコースターロマンスのようで、初の論文試験の成績はDFFAと何かの国際条約のようになってしまいました。ですので、これだという勉強法は自信を持って提示できないのですが、Aを取った時はこうやっていたというのをお伝えします。  

 まず、大前提としては処理手順をマスターするというのは意識していました。たとえば、物権的請求権なら所有と占有を軸に攻防が進むのでその二つへの意識をなくさないようにする、債権的請求なら条文から離れない、契約関係がないのなら不当利得・事務管理・不法行為を検討するといった具合です。この訓練のためにTACの教材の他、旧司法試験の過去問をやってとにかく処理手順を厳守して検討していました。

民法は超理論を思いつきやすいのでとにかく処理手順に則って無難にこなすことを意識しました。条文に沿って愚直に処理する、多少は結論の妥当性に疑義が生じても仕方がない、そんなつもりでいました。実際、合格年の2問目は結論の妥当性を欠いていましたが、愚直に処理をしたおかげで痛手にはならずに済みました。逆に俺って天才と思って聞いたことのない理論を展開した年はFになってしまいました。

もちろん、いわゆる典型的な論証は吐き出せるようにしておくべきです。私は、よりによって本番で出題された論証を誤って覚えていた結果、合格年も肝を冷やす羽目になりました。

それと、これは私見なのですが、民法では筋の通っている理屈が重視されているように感じました。

上記の通り、私は論証を誤って覚えていた結果、本番で判例と逆の結論にしてしまったのですが、その年の1問目は法律構成が相当難しく、そこを書けただけでも大幅に加点となったおかげで難を逃れることができました。

 

【商法】  

こちらも割と乱高下していて、具体的にはECBFでした。商法については、受験しながら傾向の変化を感じていて正直最後までそれに乗り切れなかったと思います。Bをとれた年はたまたま手形法が自分の覚えていたところがズバリ出題されたので上手くいきました。ですので、あまり有効な手段をお伝えすることはできません。

ただ、商法についてはここ数年で傾向が変わり、今までの典型論点さえ知っていれば書ける問題が身を潜めて、より実務的な問題が多く出ている印象です。そのような一見してみたことがない問題はみんな素晴らしくはできないはずなので、ここでも愚直に条文に戻って、なんとか根拠になる条文を見つけることが重要だと思います。

 

【民訴】  

こちらは、一度悟りを得たらそこまで乱高下をすることはなくなりDFCBと伸びていきました。伝わりにくいのですが、民訴に限って言えばFを取って以来、守りの答案を心がけた結果、本番でもヒヤヒヤする感覚がなくなって、少なくとも足は引っ張らないだろうと思えることができました。  

 まず、私の受験戦術の基本である処理手順を崩さないというのはもちろんです。たとえば、訴訟要件の問題が出たら、とりあえず訴訟要件を一応は全部検討してみることなどです。 それに加えて、いったんFをとった時に痛感したことは、聞いたことのないようなことは思いついても絶対に書いてはならないということでした。2回目の論文試験の時に、私はすぐにこの事案だったらこの話を書くというのが瞬時に思いついたものの、俺ならもっといいことを書けると思ってその場で思いついたことのみを書いた結果、見事に最低評価をもらいました。

そこで、とにかく堅牢な守りの答案を書ければCは切らないはずというコンセプトで、基本的な論証を頭にたたき込んだ上で、知ったかぶりをしない聞いたことのあることだけを書く答案の作成を心がけました。実際、その効果は現れて、合格前年の民訴は正直何を書いたらいいのか分からず、本当に基本的なことを書いて終わってしまい、こんなもので本当に大丈夫なのだろうかとビクビクしていましたがC評価でした。多分、民訴はあさっての方向のことを書いてしまう人が多いのだと思います。

合格年についても、赤信号みんなで渡れば怖くないの精神で臨んだところ、第2問目で判例とは全く異なることを書いてしまったものの、他の受験生も同じだったようでそこそこの成績に留まりました。 民訴はとにかく出る杭は打たれると思いながら答案を作成することが大事だと思います。  

 

以上が民事系についての私の対策です。最初にお伝えしたとおり、これだという勉強法をお伝えすることはできませんでしたが、これを読んでくれた皆さんに少しでもお役に立てれば幸いです。

 

次回予告  

刑事は簡単そうだと思ったらそうでもなかった(ストレート)

 

お楽しみに。

次回に続く!