【司法試験】H30合格者ブログ

~僕の失敗、からの更生記④~



第4話

【進歩できない男-予備試験論文に不合格になる条件-】

 

皆さんこんにちは。

 

この記事を休日に書いているのですが、油断するとあっという間に部屋を汚くしてしまうので、休日の間に整理整頓を心がけています。しかし、“他人には机が散らかっているように見えても、机の持ち主にとっては自分の頭脳に合わせてベストな状態で整理整頓されている。”という、昔見た大学入試の英語の問題を思い出して、私の部屋も同じ事だ、私にとっては使いやすい理想状態だしまあいいかとなってしまうことが結構あります…。

 

今回お伝えしたいのは、上記のような合理化しているように見えて単なる怠惰になっていることは受験には大敵であるということ、そして自分の前の成功体験は必ずしも当てにならないです。

 

前回、ようやく短答に突破したと思ったらかなり悪い順位で不合格になってしまうという天国と地獄を行き来しました。そして、論証を適当に覚えていただけでは絶対に受からないと確信して、TACの司法試験講座に入門しました。当時のTAC司法試験講座の特徴は、知識に頼り切るのではなく、統一的な処理手順を用いて、浮き沈みのない答案を作るというものでした。生来の面倒くさがり屋だった私は、この方法をマスターすれば、あんまり覚えなくてもなんとかなる、楽に合格できるという、またしても怠惰丸出しの考えに及んでしまいました。そして、ろくに問題演習もせず、時間短縮と称して教材の問題に処理手順をなんとなく当てはめてそれでよしとしていました。もちろん、後々痛感する規範の暗記の必要性にもつゆも気づかず、読んでいれば覚えるだろうといい加減極まりなかったです。

 

ここで少し話が変わって大学受験時代の話に遡りますが、私はまともに高校で勉強していなかったため、初歩からほぼ全部独学で大学に合格しています。試験科目は二次試験で4教科5科目と多く、センター試験もやたら要求科目が多く、どうしたらいいかと初めは困っていました。しかし、インターネットで使用する受験参考書の定石を紹介するサイトを発見して、その通りに勉強したら1年半で合格できました。

 

ここで話したいのは自慢話ではなく、人間は間違ったやり方でも成功してしまうと、その方法の危険性に疑問を持たず拘泥しかねず、いわゆる生存バイアスというものに陥りかねないと言うことです。

 

第二次世界大戦後、米軍が帰還した爆撃機の被弾箇所を調査したところ、どの機体もエンジン部分と尾翼の付け根は被弾箇所が皆無であり、他にしか被弾箇所がありませんでした。では、仮に読者の皆さんが飛行機の技師だとしたらどこを強化するでしょうか。被弾箇所が多い場所を強化するでしょうか?答えは、被弾箇所がない場所を強化すべきだと言うことです。というのも、上記の調査は“帰還した”爆撃機にしかなされておらず、肝心の撃墜された爆撃機のデータはありません。そして、どこに被弾してもおかしくないのに、被弾箇所が皆無の場所があると言うことは、そこに被弾したら撃墜されてしまったということです。ゆえに、当たったら致命傷になりかねないエンジン部分と尾翼の付け根こそ防弾を強化すべきと言うことになります。

 

しかし、当時の私はそんなことを知る由もなく、今回も自分で試行錯誤なんてしないで世間でいいと言われているものをやってさえいれば大学入試のように上手くいくだろう、自分で試行錯誤など時間の無駄で非合理的であると完全に誤った認識でいました。

 

そして、その2つの誤った認識は私に不合格という結末をもたらしました。まず、短答は前回の今にして思えば適当としか言いようのないやり方で、またしても合格最低点から数点で突破という危なげない展開に。

 

今にして思えば、ここから巻き返せた可能性は大いにあったのですが、私は上記の通り、とにかく人様の言うとおりにやって楽をすることに腐心すればなんとかなるはずだしなんとかなってきたと完全に誤った認識でいたので、どうしようもありませんでした。

 

そして論文で私は引導を渡されました。公法では、行政法こそよくできたものの、憲法では完全にノーマークだった統治が出て、中身のないピーマンのような答案を書いてしまいました。続く刑事系では、刑訴法はよくできましたが、刑法で普段の勉強で適当に答案構成をしてろくに答案を書かないという悪い冗談のような勉強法により途中答案になってしまいました。 次の日の法律実務基礎科目では、要件事実で新問題研究さえ読んでおけば大丈夫という話を自分にいいように解釈して、“学ぶ”のではなく“読む”ことに徹した結果、去年よりましでしたが、やはり要件事実の理解が不十分と言わざるを得ない答案を書いてしまいました。最後の民事系では、民法でよく分からない理屈を並べてしまい、商法で守りの答案と称した現場思考をしない答案を書き、民訴では去年に続き基本を書けばいいのに超理論を書いてしまいました。

 

今にして思えば、さっさと問題演習をやりながら規範など覚えるべき事を覚えれば、いくら遅くても今回の受験で合格していたはずなのですが、当時の私はそんなこと知る由もなく、1050番ぐらいのお世辞にもいいとはいえない成績で不合格になってしまいました。

 

読者の皆さんは、“お前は何をやっているんだ、さっさと気付け!!”と言いたくなるかもしれませんが、当の本人がかつての自分にそれを一番言いたいです…。こうして、相変わらず自分のおかしな点に全く気づかずに他力本願で楽な思いをすることだけを考えていた僕ですが、ご安心下さい、次こそは成長の時が来ます。

 

【次回予告】  神より賜えし苦悩や不合格これが運命でしょうか、諦めようか…って諦めるか!-気付きの時-  お楽しみに!

 

次回に続く!