【司法試験】H30合格者ブログ

~EF答案を回避して確実に合格~



第6話

EFライン分析:民法

 

皆さんこんにちは。

 

今回は民法のEF回避ラインの分析です。

 

民法に関して言えば、EF回避のラインは一つでしょう。 「請求(条文選択)を誤らない」 これに尽きます。請求(条文選択)を誤らなければ、その時点で、あとはどう書こうがほとんどの確率でEFは回避できるでしょう。他方で、請求(条文選択)を誤ると、その時点で、EF回避が困難になることが予想されます。一瞬で勝負が決まります。その意味で恐ろしい科目です。

 

では、EF答案を書いてしまう受験生は、どういった具合に、請求(条文選択)を誤ることになるのでしょうか。

それは、問題文の誘導を無視したり、曲解したりすることが原因です。

 

例として、平成29年民法の設問2が挙げられると思います。

 

誘導はこの部分です。以下に引用します。

 

『同月5日に、Aは、Cに対し、事前に了解を得ることなく、①Cが丙建物をDに賃貸し、そこでDに診療所を営ませていること②Cが甲2土地を診療所の患者用駐車場としてDに使用させていることについて抗議をした。』 民法の択一知識がある人ならば、間違いなくある判例が思い浮かぶはずです。土地上の建物の賃貸借契約は、土地の転貸借には当たらない、というあの判例です。これが思い浮かぶと、下線部の意味を深読みするのではないでしょうか。判例の結論からすると、無断転貸構成は無理筋だ。そうなると別の構成を考えなければ。どうしたものか。  

 

当時の私は、ここで用法順守義務違反という司法試験委員のおよそ考えていない法律構成をひねり出してしまい、結果的にF評価を取ってしまいました。  

 

ここで気づくべきなのは、「判例にのっとって検討すると、請求が認められない」ということを答案に表すことだって、立派な解答である、ということです。誘導に従って検討した結果、認められないよね、という結論に達することを確認すること。これ自体が、解答なのです(※原告の立場からはいかなる主張をすべきか論ぜよ、というような問い方の場合を除く)。  

 

重要なのは、誘導を無視しないことです。誘導に乗って一応の結論までたどり着けば、それでEF回避のラインには乗ります。逆に、誘導に乗らないことになれば、司法試験委員の考えていない法律構成に走ることになり、EF答案を書いてしまう可能性が大きくなってしまいます。

 

さらに、このケースから学べることがあります。それは、リスクヘッジの重要性です。

 

民法は、請求(条文選択)で誤るとものすごく低い評価しかつきませんが、なにも一つの請求(条文選択)しか書いていけないわけではありません(※請求を一つ挙げて論ぜよ、といった問い方の場合を除く。)。そこで、自分が立てた請求(条文選択)が不安な時は、リスクヘッジとして、自分が判断に迷った法律構成も短く書いておくことをオススメします。

 

実際に、このリスクヘッジを使って、上記の設問において、まず判例の結論通り無断転貸構成をわずか5行程度で否定して、その後、用法順守義務違反を書いた答案(私の答案と構成・内容がほぼ同じで、設問2で判例の結論を検討している点のみ異なるような答案でした。)の評価は、C評価でとどまっていました。

 

民法は、EF回避策がシンプルなので、一定程度勉強した人ならば、成績を安定させることはそこまで難しくはないでしょう。 

 

次回に続く!