【司法試験】H30合格者ブログ

~僕の失敗、からの更生記~



第6話

世界はそれを最終合格と呼ぶんだぜ

-心の声(プレッシャー)を感じるのがこれほど怖いものだとは-

 

皆さんこんにちは。

 

私は現在、裁判所から場所を移して法律事務所で修習を行っています。法律事務所では、座って仕事があるかと思えば外出する用事があったりして、一日が一瞬で溶けてしまうような錯覚に陥ります。修習に入ってから特に感じるのですが、やはり実際に実務に触れて司法試験の問題文にはまず出てこない現実の泥臭さを体感するのは大事なことだと日々思っています。  

 

さて、今回特にお伝えしたいのは、良好なメンタルを保持することは勉強と同じくらい重要であるということです。  

 

前回、ようやく己の不合格の原因に気づきました。そこで私は勉強方法を世間で言われていることとあえて逆行してインプット中心にしました。まずは文字通り理屈抜きで判例などに示されている規範を徹底的に覚える。問題演習の時間はその分少なくなりましたが、“これが自分に一番合っているやり方なのだ、世間がじゃなくて私にとって何が最良かで考えるのだ。”、そう考えてひたすら暗記する作業に徹しました。  

 

暗記の手法としては、最初は目で見て覚えようかと思いましたが、よくよく考えたらこれも合理化という名の怠惰になっているのではと考えて、あえて泥臭く書き殴って覚える方法にしました。時にはあえて非効率とも思えるやり方も大事なんだと思って、修行僧のようにルーズリーフに延々と規範を書き殴る日々が続きました。そうは思っても実際に書くと時間をかなり消費するので焦りはあったらしく、ある日、自分の書いたルーズリーフを見たら、早く書かなきゃと言う意識からお経の経典のように限りなく読みづらい字が並んでおり、思わず苦笑いした記憶があります。  

 

そして、上記対策の効果は如実に表れました。まず、直前の答案練習で得点が安定して高得点をとれるようになりました。以前は、自分でしっかり書いたつもりでも、あまり点がつかないことが多く、なんでやねんと思っていましたが、規範がしっかりしていないことが原因だったのだと今更ながら気づきました。答案練習の点数はあてにならないとはいえ、自分の弱点を間違いなく補強できているという確信を持てました。  

 

このように、客観的に見れば自分の弱点をしっかり補強することができて合格の流れを突き進んでいましたが、主観的には問題が発生しました。それは、すさまじいプレッシャーによる精神的不安定です。合格年の受験を最後にしようとしていた私は間違いなく瀬戸際にいました。もともと私は精神的にタフとは言いがたく、大学受験の時も直前期にもかかわらず、もし今年落ちたら終わりだという思いが強まりすぎて2~3時間の勉強しかできない状態になっていました。その時は無事合格したからよかったものの、後のなさから今回も似たような状態になりました。  

 

今年落ちたら就活をせざるを得ない…、だがこの年で職歴がなくて勤められるところなどあるのだろうか。いや、そんなことを考えている場合じゃない、とにかく勉強せねば!でも…。この思考のループが直前期に毎日襲いかかりかなり辛かったです。  

 

そこで私がどうしたかというと、恥と外聞もなくひたすら周りに相談するという方法をとりました。予備校講師の先生、友人、両親、とにかく手当たり次第でした。周りから見れば、相当面倒くさい奴であったことは間違いありません。しかし、形のない不安を周りにとにかく漏らすことで精神衛生が大分ましになりました。実際に彼らの手助けがなかったらどうなっていたか分かりません…。みなさんはここまでやらなくても、直前期だからこそ周りの人との交流を大事にして積極的に話す機会を作るのが大事だと思います。自分の弱さを否定するより受け入れてそれとどう付き合っていくかを考えた方が上手くいくと思うからです。  

 

今回の論文試験については、正直終わった時にこれは合格したのではないのかと思ったのが正直なところでした。全科目で特に大きく落とした科目はないと思いました(商法はFになっていましたが…。)。まず、憲法では出るかもと思っていた財産権が出てこれは勝ったと思いましたが、行政法では大枠は外していなかったとはいえ問題文を読み間違えてひやりとしました。それ以外はそつなくこなしましたが民法で問題が発生しました。2年連続でF評価をもらった民法が激難になっており法律構成が思いつきませんでした。いよいよ白紙もあり得ると恐怖を感じましたが、試験終了20分前に突如正しい法律構成を思いつき、書き殴ってなんとか終えました。実際正解にたどり着けた人は少なかったらしく、かなりハチャメチャになった答案でもA評価でした。  

 

それから時は過ぎ論文合格発表日までは正真正銘何もしませんでした。選択科目や口述対策をした方がいいと頭では分かってもできませんでした。ケセラセラだと思っていましたが今にして思えば労働法をやっておけばよかったと思います。というのも、司法試験編で述べる通り、労働法は覚える量が尋常ではなくプレッシャー要因となってしまったからです。  

 

こうして怠惰極まりなく迎えた論文合格発表日、自分の番号を見つけた時は命がつながったと嬉しさより安堵感の方が大きかったです。安堵感もつかの間、口述試験の対策がノー勉だということに危機感を覚えて、そのまま口述模試の申し込みに行きました。その時の僕は気づいていませんでした。数週間で口述対策をする大変さに。

 

※合格年の体験記が予想外の長文になってしまったので、次回は論文合格までに使った本などの紹介しつつ、勉強方法についてより具体的に述べることにします。口述対策はさらにその次回に伸ばしたいと思います。

 

【次回予告】 後悔するより今を大事にとは言いますけれど…

-今にして思えばこうしていたと思う勉強法について-

 

次回に続く!