【司法試験】H30合格者ブログ

~EF答案を回避して確実に合格~


 

第10話

刑事訴訟法EF回避ライン分析

 

科目別の論文対策は今回の刑事訴訟法で最後になります。


刑事訴訟法という科目で重要なのは、問われ方に対応した「答案の型」を身に着けるということです。


刑事訴訟法は大きく分けて①捜査②公判③証拠の3分野がありますが、①の捜査分野の中も、(1)強制捜査、任意捜査の区別(2)捜索差押え(3)逮捕、というように、細かく分けることができます。


刑事訴訟法でEF回避を考えるにあたっては、少々めんどくさいかもしれませんが、これらの分野について、すべて自分なりに「答案の型」を作ることから始めてみてください。


そして、一度型が完成したならば、あとはそれを覚えて型通りに処理しきればEF回避が完了するという科目です。


「答案の型」という言葉を出しました。

私が考えるに、司法試験の刑事訴訟法で問われ得る問題の「型」は、そう多くはありません。行政法、憲法に次いで少ないと考えています。


一例ですが、私は、捜査分野の強制捜査と任意捜査の区別の問題が出題されたならば、以下のように処理をすると決めていました。


1 本件捜査は「強制の処分」(刑訴訟197条1項但書)にあたるか。

(1)「強制の処分」とは、①個人の意思を制圧して②憲法の保障する重要な法的利益を侵害する処分をいうと考える。

(2)本件で…

 ①について

 ・有形力の行使がある場合→そのまま事実を引用し、個人の意思を制圧している/していないと書く

 ・有形力の行使がない場合→合理的に推認される個人の意思に反する/反しないから、個人の意思を制圧している/していない、と締めくくる

 ②について

 ・被侵害利益を具体的に書く→憲法何条で保障されるか/されないかを書く→それがどのように侵害されているか/いないかを書く

(3)よって、本件捜査は「強制の処分」にあたる/あたらない。

2 では、本件捜査は任意捜査(197条1項本文)の限界を超えないか。

(1)捜査比例の原則より、①捜査の必要性、緊急性などに照らして②相当な方法でなされるかぎり、任意捜査の限界を超えないと考える。

(2)本件で…

 ①について

 ・まず被疑事実が何かを特定する→次に嫌疑の大きさ、法定刑の大きさを必ず検討する→そのあとにプラスアルファの事情を書く(ex.薬物犯罪ならば隠滅が容易など)→最終的に必要性や緊急性に結び付ける

 ②について

 ・まず捜査方法自体を特定する→捜査方法が相当かどうかを、①の結果と対比して書く

(3)よって、任意捜査の限界を超える/超えない。


このように、「答案の型」を予め用意しておいて、本番は事実を流し込んでいました。


型を作っておく際に必ず悩むのが、「型を作るとき規範の理由付けはどこまで練りこむべきか」という点です。

これについての回答としては、今までこのブログを読んできた方なら想像は付くかと思いますが、規範の理由はおまけ程度に考えてもらって結構です。

EF回避程度のレベルならば、規範に理由付けは不要です(ただし判例の規範を用いることが条件です。学説の規範を用いるときは、なぜ判例を取らずに学説を取るのかの理由まで含めた理由付けを書いてください)。

答案の必要な箇所に必要な規範がきっちり書けていることこそが大事なのです。


この観点から上の自作規範を見ると、「強制の処分」については、GPS判例の規範をそのまま貼り付けるにとどめ理由付けは一言もありませんが、任意捜査の限界のところでは、捜査比例の原則より、という理由付けがなされています。これは、前者については原則を貫いたものの、後者については欲張ったところでありますが、これくらいの短い理由付けならば、記憶の負担も記述時間の負担もほとんどないに等しいので、いつも書いていました。


また、「答案の型」をどこまで具体的に作りこんでおくかという問題もあります。しかし、こればかりは、個人差があるとしか言えません。

というのも、細かいところまで決めておかなければ書きだせないという人もいるでしょうし、逆にラフに決めてガンガン書くという人もいるからです。

一度、「答案の型」を作ってみて、過去問演習の際などに実際に使用し、細かさを調節していくのがいいと思います。

ちなみに私は、事実のあてはめ方まで含めて、細かく型を作成していました。その様子が、上の自作規範から見て取れますね。


刑事訴訟法は近年比較的オーソドックスな出題が続いており、それゆえに、「答案の型」に沿って淡々と処理していくことが求められている科目といってもいいでしょう。

仮に今年大きく出題傾向が変わったとしても、型のきっちりした答案を書く癖がついている人は、ほとんどの受験生がパニックに陥っている中でもうまく立ち回れるはずです。


いよいよ本試験・予備試験短答直前期ということで、次回は、私なりに試験に対する心構えを述べてみたいと思います。

 

次回に続く!

 

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