【司法試験】社会人合格者ブログ

~司法修習編~

 

第4話

原理原則と家庭裁判所修習


みなさん,こんにちは。3月もちょうど折り返し地点でしょうか。今年の司法試験を受ける皆さんは,あと2ヶ月ほどで試験本番に挑むことになると思います。最後まで諦めずに飛び続ければ必ず勝機はあるので,あと少しだけ踏ん張りましょう。


今回は家庭裁判所修習について書いてみようと思います。この修習は刑事裁判修習の合間に行われるもので,1週間ほどの期間を使って家事事件・少年事件に関する実務について学んでいく修習です。


まず家事事件については,調停をメインに修習を行います。

調停では,離婚や遺産分割といった民事紛争について,調停委員が当事者の言い分を交互に聴取しながら紛争の妥当な落とし所を探っていきます。修習生は事前に事件記録を検討した上で,実際の調停を見学します。

調停で問題となる紛争は,離婚や遺産分割のような「剥き出しの感情が激突する事件」が多く,当事者間で言い分が真っ向から対立することも珍しくありません。事前に事件記録を検討した際に得た心証と,実際に当事者双方の言い分を聞いた上で得た心証とが大きく異なることもありました。民事事件でも刑事事件でも,虚心坦懐になって事実と言い分をよくよくしっかり観察することの重要性を思い知らされました。

よく司法試験の論文では,「自分の知っている事案に引きつけては駄目」といった類いのことが言われると思いますが,修習で実際の事件を傍聴してみるとまさにその通りだなというのを実感しました。今年の司法試験を受験する皆さんは,「問題文を虚心坦懐にしっかり読む」ということを今一度意識してみてもよいかと思います。


次に少年事件については,事件を起こした少年に関する審判やカンファレンスをメインに修習を行います。

カンファレンスとは,事件を起こした少年の処遇について裁判官・家裁調査官を交えて行われる会議のことをいいます。修習生はこの会議に立ち会うことで,裁判官・家裁調査官がどのような発想で少年への処遇を決定しているのかをうかがい知ることができます。そして審判では,カンファレンスで得た内容をもとにしつつ,少年・付添人弁護士の意見も聴取しながら最終的な処遇を判断・宣告します。

 

審判においては,付添人弁護士が少年とその家族にいくつか質問をしていくのですが,その付添人弁護士が少年の更生を真摯に考えながら質問をしているのが印象的でした。

少年事件においては,事件を起こした少年に対する健全育成といった観点から,保護処分優先主義・個別処遇の原則・職権主義的審問構造・審判の非公開といった基本原則がいくつか定められています。審判とカンファレンスといずれにおいても,裁判官・弁護士・家裁調査官といったすべての人たちが少年の将来を真摯に考えながら職務に取り組んでおられる姿を見ることができ,充実した時間を過ごすことができました。


刑事裁判修習・家庭裁判所修習を経て実感したことは,「原理原則に定位して考える」ことの重要性でした。無罪推定の原則・予断排除の原則・行為責任主義・保護処分優先主義・個別処遇の原則など様々な原理原則に修習中に触れましたが,これらはすべて誤審を防止したり望ましい利益や秩序を保護したりする上で非常に大切な原則なのだと実感しました。

司法試験においても,「分からない問題は原理原則から考えるべし」と言われることもありますが,これはまさに実務家としてのあるべき姿勢の有無を試験で試そうとしているのだと思いました。

 

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