【司法書士】現役司法書士 中山慶一のブログ~司法書士を楽しむ~
第4回 「漢字をつくる」



  こんにちは。司法書士の中山慶一です。つい先日まで、「暑い!暑い!」と個人的に文句を言いまくっていたのですが、急に寒くなってきましたね。

 10月になり、環境省が発表しているクールビズ期間も終わったので、法務局の勤務の際、ネクタイを着用して行ったのですが、10月いっぱいは軽装のようで、慌ててネクタイをはずしてしまいました(笑)

 受験生の皆様も、季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください。

 さて、前回の内容の記事ですが、後日談があります。「自分が自分に委任状を出す」って、あの話です。司法書士としてカッコ悪い話ですが、補正を出しました(汗)今から、かなり恥ずかしい話を書きます。

 補正というのは、登記を申請して、何も問題なければ、登記が実行されるのですが、申請書に間違いがあったり、添付書面が足りないような場合に、登記所から電話がかかってきます。要するに、「ミスしているから直しに来なさい!」と呼び出されるわけです。そして、登記所にある「補正席」でミスを直すのですが、周囲の目が気になって、これが意外と恥ずかしい(笑)

 そして、今回のケースは、僕が勤務している登記所なので、恥ずかしさも倍増です。「補正」という言葉は、本当にキライな言葉です。

 今回、申請書にミスがあったのですが、それを発見したのが金融機関です。最悪ですね。司法書士は、登記を申請した後、抵当権の設定の登記がある場合には、金融機関に受領書をFAXします。登記が受け付けられたことを確認するため、書面申請の場合には受領書を、オンライン申請の場合には「受付のお知らせ」を取得しFAXします。金融機関としては、きちんと司法書士が登記を申請したか、気になるわけですね。

 そして、今回、自分の自宅の登記の申請で受領書をFAXしたら、金融機関から電話がかかってきました。登記所からミスを指摘されるのではなく、金融機関からミスを指摘されるという、司法書士としてはあり得ないことをやってしまいました。

 何をミスしたかと言いますと(恥ずかしいので小さい声で言いますよ)…

 自分の住所を間違えました!!

 まさかのミスです。自分の住所なので、全く確認していませんでした。前回の記事に書いた通り、自分が、司法書士の自分に委任状を出しています。そして、僕は借りているアパートを自宅兼事務所にしていたので、自宅と事務所の住所が一致していました。いや、一致していると思い込んでいました。それが盲点でした。

 事務所としては、アパートの名前が入っていなかったのですが、自宅の住所や印鑑証明書にはアパートの名前が入っていたようです。いつも司法書士として仕事を受ける時には、アパート名が入っていない住所で依頼を受けていたので、いつの間にか、自宅にアパート名が入っているのを忘れていました。委任状や申請書も、事務所の住所をコピペしまくったので、その結果、自分の住所すべて、アパート名が抜けているという大チョンボをやらかしました。

 通常、抵当権の設定の登記の場合、司法書士は、印鑑証明書の住所に間違いがないか、穴があくほど見ます。マンション名の記載の有無はもちろん、部屋番号記載の有無や、マンション名も「〇〇マンション」の「ョ」が大きな「ヨ」になっていたり、文字と文字のスペース等がないか、本当に細かく見ます。なので、このようなミスはあり得ないわけです。今回は自分の住所なので、完全に確認を怠りました。自分から登記所に電話して、補正に行くという、本当に恥ずかしい限りです。

 そんなミスをしているそばから、このブログの担当者からもご連絡がありました。

 原稿を確認したら、漢字が違う…と。

 また、ミスです(笑)ある漢字が旧字体になっていました。

 旧字体になっていた理由は、同じ漢字で、お客さんの名前が旧字体の方がおられて、その変換の履歴が残っていたため、パソコンでブログの原稿を打ち込んだ際、旧字体に変換されてしまったようです。

 司法書士は、人の名前や、住所を確認する場合は、本当に気をつけています。よく試験問題で出てくるような「一郎」と「一朗」のようなひっかけはかわいいものです。

 戸籍に書かれる文字は、旧字体はもちろん、俗字、異字体、外字など、いろいろな文字があります。司法書士は、必ず正字等の一覧が載っている本を手元に置いて、漢字が同じか確認しています。戸籍を確認して初めて、お客さん自身も今まで使っていた漢字と自分の本当の漢字が異なることに気づくケースもあります。

 漢字が一字でも違っていたら登記の申請はできないことになりますので、本当に漢字が同じか、注意深く登記記録を確認することになります。

 登記記録に書かれている漢字をコピー機でマックスまで拡大してみたり、虫眼鏡(ルーペ)で文字を覗いてみたりと、かなり神経質になります。関西ネタで申し訳ないですが、「宝塚」の「塚」も、本当は、点が入ります。関西の「西」も線が真っ直ぐになる漢字もあります。

 先日も尼崎信用金庫の抵当権の抹消をする際、代表理事の名前を電話で確認すると「わたなべ」ですと返答が…。

 

 「渡辺」の「辺」は、旧字体や戸籍で使われている漢字を合わせると30種類は超えていると思います。戸籍で使われている漢字がパソコンでは出てこないことは多いです。このような場合には、司法書士は、漢字をパソコンでつくります。

 漢字のつくり方としては、事務所ごとでやり方が異なるのかもしれませんが、僕はまず、法務省の「戸籍統一文字情報サイト」で漢字を見つけるか、近い漢字を見つけて、その漢字をコピーします。次に、それをパソコンでペイントに貼り付けて、それをまたコピーして、外字エディタに貼り付けて、外字の登録をします。文字が少し違う場合には、外字エディタで編集して微調整しながら漢字をつくります。

 このように漢字をつくるのも司法書士の仕事です(笑)相続登記の場合に、相続関係説明図という家系図のようなものを作成したりしますが、戸籍で使われる人名漢字は、本当に種類が多いです。できるだけ戸籍と同じ漢字をパソコンで呼び出せるよう、外字エディタで外字を作成して登録しているわけです。

 司法書士は、漢字等の文字を正確に扱う仕事でもあるので、丁寧に文字を見る癖を今から養って下さいね。(「自分の住所を間違える人間が偉そうに言うなよ!」とツッコミを入れるところですよ。笑)

 

 

☜第3回「司法書士をしていて抱く違和感」はこちら                 第5回「事務所ルール」はこちら☞

 

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<ブログ筆者の紹介>

中山 慶一なかやま よしかず (司法書士・Wセミナー専任講師)
プロフィール
フルタイムで働き、本試験直前まで仕事を続けながら合格。「基本を正確に、そして大切に」が合格への近道である、という自身の合格した経験をもとに、圧倒的な指導力で受講生を合格へと導く。「親身に、身近に、そして丁寧に」をモットーに講義を実施。
Wセミナーでは、今年から新たにスタートする「基礎総合コース」の他、中上級者対象の「上級総合本科生」、「上級本科生」等を担当している。


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