【司法書士】現役司法書士 中山慶一のブログ~司法書士を楽しむ~
第27回「今年に限っては~本試験後の過ごし方」



 こんにちは。司法書士の中山慶一です。

 本試験、本当にお疲れ様でした。まずは、ここまで頑張ってきた自分を思いっきり褒めてあげて下さい。

 ちゃんと、褒めましたか?

 褒めてから、続きをお読み下さい(笑)


 本試験が終わって、手ごたえを感じている人、思い通りに実力が出せなかった人、気持ちはそれぞれだと思います。まだ過酷な本試験を終わった直後ですから、ゆっくり体を休めて頂けたらと思います。

 前回の記事では、「本試験直前の過ごし方」を書かせて頂いたので、セットとして、「本試験直後の過ごし方」も書かせて頂こうと思います。

 本来であれば、「1~2か月、ゆっくり休んで下さい!」と言いたいところですが、今年に限っては、本試験の結果がどうであれ、満足できる結果が出ている方は、来年の6月の簡裁訴訟代理等能力認定考査(以下、認定考査)に向けて、試験の結果が不安な方については、来年7月の本試験に向けて、再スタートする必要があると思います。

 つまり、現時点で来年の試験日程の発表がない以上、来年は、「通常通りの日程で試験が行われることを前提でスタートしておかないと、年が明けてから、バタバタして余裕がなくなってしまう可能性がある。」ということです。

 個人的には、本試験直後で、皆さんに休んで欲しい気持ちはいっぱいなのですが、今年に限っては、どうしても日程のシワ寄せの影響が出てしまいます。できるだけ早めにスタートを切った方が安心です。

 では、何をしましょうか?

 このあたりは本試験の手ごたえによって変わってくるかもしれません。

 まず、本試験の結果に手ごたえを感じている方、いわゆる「ワクワク、ドキドキ」の方は、次のステップとして、認定考査への準備を始めたいところですが、先に、口述試験がありますね。

 口述試験では、不動産登記法、商業登記法、司法書士法が問われますので、この3つの科目については、知識の精度をできるだけ維持できるよう、毎日、知識の確認をしておきましょう。合格レベルにある方ですから、不動産登記法と商業登記法については、新しい知識の吸収は不要です。「現状維持」を目指して、知識の確認程度でいいでしょう。ただ、口述試験ですから、試験官の質問に口頭で答える必要があります。意外と、分かっていることでも、口頭で答えたり、説明することは難しいです。

 声を出しても迷惑にならない環境にあるのであれば、声に出しながら、説明するような感じで、「えっ、清算人の選び方ですか?清算人の選び方は………。」な~んて、1人で声に出してみるのもいいかもしれません。

 また、司法書士法は、ここまでは択一試験に向けて、「業務を行い得ない事件」や「司法書士法人」の優先順位が高かったと思いますが、口述試験では、司法書士の業務の中でも、「義務」が重要になってきます。事務所設置の義務や、依頼に応じる義務、秘密保持の義務など、他にもどういう義務があるのか、確認しておいて下さい。さらに、懲戒もよく聞かれます。焦らず答えられるように準備しておきましょう。もちろん、口述試験で定番の司法書士法1条、2条の丸暗記も忘れずに(笑)

 認定考査対策となると、民事訴訟法が思いつくかもしれませんが、意外と、民法が重要です。口述試験と並行して、認定考査の準備と考えている方は、合格発表までは民法をしっかりと見直しておくことをお勧めします。

 次に、本試験の結果について、手ごたえを感じているとまで行かない、いわゆる「ギリギリでいいので、何とか合格させて!オネガイっ!」って方は、万が一に備えて、来年の本試験に向けて、勉強をスタートした方がいいでしょう。

 例年、この立ち位置の方が一番、来年へのスタートが遅れます。

 本試験がダメだったとあきらめがつく方が、本試験直後から再スタートが切れるのに対して、モヤモヤの状態の方は、勉強に手がつかず、合格していれば、「そんなモヤモヤの時代もあったね」と笑い飛ばせるのですが、万が一の場合には、本試験直後から勉強を再スタートしている方に比べて、スタートが遅れてしまうことになります。

 例年であれば、8月中旬の択一の基準点の発表後からの再スタート、あるいは、10月初旬の筆記試験の発表後からの再スタートで、十分に挽回ができるのですが、今年の限っては、口述試験が令和3年の1月予定ですから、12月下旬に筆記試験の結果の発表となると、通常であれば、年明けの直前期に突入していく時期なので、知識が抜けてしまって、ここからの挽回となると厳しい勝負になると思います。

 結果、合格していて、ムダな勉強になってしまってもいいと思うので、来年に向けて、万が一に備えて、勉強はすぐに再スタートする方がいいと思います。

 こちらも、科目としては、民法がお勧めです。結果がどうであれ、司法書士試験、認定考査、いずれにも準備が必要となる科目だからです。


 最後に、今年の試験で思うような結果が出なかった方です。

 来年の試験に向けて、短期決戦になるのであれば、試験直後から来年に集中して、もう再スタートがきれるメリットは非常に大きいと思います。

 このアドバンテージをいかして、短期決戦の中で一気に勢いをつけたいところです。

 おそらく本試験直後から、来年を意識する方は択一の成績が振るわなかった方が多いと思いますので、もう一度、民法から穴がないようにスタートした方がいいと思います。なので、お勧めの科目は民法になります。

 「択一はできたけど、記述が崩壊した!」という方も、記述が気になると思いますが、択一突破があっての記述対策です。来年、確実に択一に突破するためにも、民法から確認していった方がいいでしょう。

 えっ!?バレました!?そう、結局、全部、民法か~い!(笑)

 個人的には、そう考えています。

 年内は、主要4科目の見直しと新しい判例等の知識の補充をしておきたいところです。できるのであれば、民訴あたりまで、年内に確認できるのが理想です。

 特に、来年に向けては、会社法・商業登記法等の改正が入ってきます。

 印鑑の提出義務の廃止に始まり、株式交付という新しい制度も創設されます。取締役等の欠格条項、社債の管理に関する規律も見直しが入りますし、社外取締役を置くことの義務付けや、新株予約権に関する登記事項も改正が入ります。

 それなりのボリュームがある改正になるので、年明けに施行日が確定してくると、3月、4月は会社法、商業登記法、商業登記規則あたりの確認で、手がいっぱいになってくるかもしれません。

 民法も最新判例が出ていたり、今までの考え方と異なるような大きな判例も出ています。少しでも早めに民法は固めておいた方がいいと思います。

 ということで、民法からスタートしてみましょう。


 ただ、今日はまだ、本試験が終わったばかりです。1週間~10日ほどは、体を休めて、本試験の結果を分析する時間にあてればいいと思います。本試験の反省は重要です。

 ゆっくり体を休めたら、短いリフレッシュ期間になってしまいますが、それぞれの次のステップに向けて、徐々に動き始めて下さいね。


 本試験、本当に、本当に、お疲れ様でした。



 

☜第26回「本試験直前 残り10日間の過ごし方~7つのアドバイス」はこちら

 

第28回「脱ハンコ」はこちら☞

 

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<ブログ筆者の紹介>

中山 慶一なかやま よしかず (司法書士・Wセミナー専任講師)
プロフィール
フルタイムで働き、本試験直前まで仕事を続けながら合格。「基本を正確に、そして大切に」が合格への近道である、という自身の合格した経験をもとに、圧倒的な指導力で受講生を合格へと導く。「親身に、身近に、そして丁寧に」をモットーに講義を実施。
Wセミナーでは、今年から新たにスタートした「基礎総合コース」の他、中上級者対象の「上級総合本科生」、「上級本科生」等を担当している。