【司法書士】現役司法書士 中山慶一のブログ~司法書士を楽しむ~
第28回「脱ハンコ」



 こんにちは。司法書士の中山慶一です。

 最近、毎日のように目にする「脱ハンコ」のニュース。行政改革担当大臣が先頭にたって、行政手続きのハンコの9割を廃止するとか、しないとか。

 僕は、ハンコ屋業界の人間ではないので、「ハンコ制度の廃止」に文句を言う気はないですし、ハンコを廃止することで効率がよくなる部分もあるでしょうから、ほぼほぼ賛成なのですが、単純にものすごく不安です(笑)

 ご存知のように、令和2年3月30日から、不動産登記の申請書の添付書類には、法人の印鑑証明書を添付する場合には会社法人等番号を提供すれば、印鑑証明書の添付は不要となりました。

 この話は、第16回の記事で書かせて頂いた通りです。
 そして、商業登記についても、令和元年会社法改正によって、法人設立時の印鑑の届出義務が廃止されます。現時点では、令和3年2月15日に施行が予定されています。

 改正法が施行されると、法人設立時に、印鑑の届出か、商業登記電子証明書の発行の請求か、いずれかを請求、もしくは、両方の届出等ができるようになるみたいです。

 僕のような「おじさん組」になってしまうと、ITだの、オンラインだの、電子〇〇だの、電子機器の小難しい話になると全くついていけなくなります(笑)

 特に僕は、「司法書士の仕事に必要なものは、紙とペンだけだ。」という言葉に感銘を受けて仕事をしていた古風な部分もあるので、電子機器の登場は、仕事の障害となっている感じもします(笑)

 今でこそ、「先生、電子署名して送って下さいね~。」と言われて、「分かりました。」と答えることができるものの、つい先日も、「先生、文書の作成年月日よりも電子署名の日付が先になっているので、送りなおしてもらえますか?」と注意される始末…。

 「何で書類を先に作ったのがバレたんだろう…。」って、電子証明書のシステムについていけてないので、苦笑いです…。

 登記の申請もオンライン申請をすることが多いですが、慣れるまで、本当に時間がかかりました。書面で申請する方が、僕は楽です(笑)ただ、オンライン申請だと登録免許税がペイジーで支払えるので、収入印紙を買って、貼る手間を考えたら、この点だけはオンライン申請に軍配が上がります。でも、僕の中でのメリットはそれだけです。登記の完了のお知らせがパソコン上で確認できるのはありがたいですし、「手続終了」のメールも便利なのですが、手続き途中で送られてくるメールが、「申請番号〇〇の手続について、お知らせがあります。」と書かれるだけなので、外出先で、何のお知らせなのか、添付書類が届いただけなのか、補正が出てしまったのか、気になって仕方がないときがあります(笑)

 要は、オンライン申請は嫌いです(笑)書面申請の方が、チェックしやすいし、書類の作成もはやいし、安心感があります。

 先日もオンライン申請で、登記原因証明情報をスキャナでPDF化されたものが登記所でプリントアウトできず、あせりました。

 登記所に原因を聞いても分からず、「このままだと、登記原因証明情報が添付されてないので却下です。」と冷たいひとこと。

 あちこち連絡をした結果、複合機のメーカーの話とPDFソフト会社の話を聞いて、原因がやっと判明。どうやら、PDFのバージョンが違っていたようで、登記所が対応していないPDFのバージョンで送信していたようです。

 書面なら、このような心配もないんですよね。

 僕にとって、紙とハンコは本当に安心感があります。それに対して、オンライン申請に電子署名って、う~ん…って感じ(苦笑)

 ただ、不動産登記の申請をオンライン申請して電子署名しても、その後、表紙に当たるような「書面により提出した添付情報の内訳表」をプリントアウトして、そこにハンコを押すわけで、「あれ?電子署名したのに、ハンコもまた押すの?」って感じになって、意味のないハンコを押している感は拭えません。

 その意味では、意味のないハンコはなくしていくべきなんでしょうね。

 司法書士にとって、ハンコは一日に何回も押すものです。

 お客さんからの委任状にハンコをもらい、登記原因証明情報にハンコをもらい、銀行からの書類の受け取りにハンコを押し、申請書にハンコを押し…。

 委任状にハンコをもらうことで、依頼者からのご依頼の意思や、申請の意思を確認している部分があるので、ハンコがなくなると本当に困りますね。

 第16回の記事でも書きましたが、不動産登記の取引でも、ほぼ印鑑証明書を添付しています。会社法人等番号を提供して、印鑑証明書を添付しないと、僕は不安な気持ちでいっぱいになります。

 やはり、印鑑証明書の印影と委任状に押されている印影を照合することで、安心感する感覚が身についているので、その作業がなくなると不安でたまりません(笑)

 だからといって、「脱ハンコ」に反対を唱える気もありません。僕が適応していけばいいだけのことです。

 商業登記も、ここから「商業登記電子証明書」の利用が増えてくるのかもしれません。


 いくら引き続き、印鑑の届出ができるからといって、司法書士としては、お客さんのニーズに対応するため、「商業登記電子証明書のことは知りません。」では、やっぱりマズいわけで、ペーパーレス化に対応できるようにしていかないと仕事を失っていくでしょう。

 本人確認しながら面前でハンコをもらう。

 そんな常識が少しずつ変わってきています。
ハンコ制度がなくなるのか、なくならないのか、僕にとっては、それ自体はどうでもいいことです。

 ただ、脱ハンコの流れの中で、柔軟に対応していかないと、僕のような電子機器苦手、“書面”人間は、あっという間に時代に置いてけぼりを食らうことになります。

 時代に取り残されないよう、頑張ってついていこうと思います。


 以上、「脱ハンコかぁ…。大変な時代になってきたなぁ…。」というおじさんの愚痴でした(笑)皆さんなら大丈夫です。安心して下さい。僕はコンセントの電源が抜けているのに気づかないほどの機械オンチですから…(汗)


 

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<ブログ筆者の紹介>

中山 慶一なかやま よしかず (司法書士・Wセミナー専任講師)
プロフィール
フルタイムで働き、本試験直前まで仕事を続けながら合格。「基本を正確に、そして大切に」が合格への近道である、という自身の合格した経験をもとに、圧倒的な指導力で受講生を合格へと導く。「親身に、身近に、そして丁寧に」をモットーに講義を実施。
Wセミナーでは、初学者対象の「基礎総合コース」、中上級者対象の「上級総合本科生」、「上級本科生」等を担当している。