【司法書士】現役司法書士 中山慶一のブログ~司法書士を楽しむ~
第36回「決済現場、様変わり」



 こんにちは。司法書士の中山慶一です。

 今日は、司法書士が活躍する決済現場のお話です。

 銀行の応接室等で、売主さんが準備した書類と、買主さんが準備した書類を確認して、委任状等にご署名、押印を頂いて、不備がなければ、銀行にローンの実行をお願いする立会いの現場ですね。

 僕は、平成22年の合格者なので、まだまだ決済の現場には慣れていないような気もします(笑)決済現場では、イレギュラーなことも、しばしば起こります。

 お客さんが実印や銀行印を忘れたり、当日、突然、権利証(登記識別情報)がないことを伝えられたり、お金の振込み等がうまく進まなかったりと、準備をしっかりしていても、当日の現場だけは、やはり緊張します。

 ちょっと前、コロナの影響で、取引の人数が多いため、銀行の中に入れてもらえず、駐車場で書類等を書くこともありました(笑)

 駐車場に追い出されるのは、本当にレアなイレギュラーなケースなのでしょうが、ここ10年で、本当に決済の現場の様子って変わったなぁ~って感じます。

 最初、合格して初めて決済現場に出たときには、本当に感動しました。

 それまで、銀行の応接室に入ったことがあるわけもなく、なんか立派な部屋を使わせてもらって、ふかふかのソファーに座りながら、書類を一生懸命確認していました。座り心地が良すぎて、ハンコが押しにくかった記憶もあります(笑)

 合格してすぐのころは、テキパキと書類が確認できるわけではないですから、「売主さん、買主さんからの書類は何が必要だったっけ?」と必死で思い出しながら、周りの早く確認してよ!って感じの、見えない圧力を感じながら、プレッシャーですごく汗をかいていたのを覚えています(笑)

 まぁ、本当に最初の頃は、ベテランの補助者の方に同行してもらって、補助者の方に書類を確認してもらって、「問題がない」と分かっている状態の中で、僕が本職として、改めて書類を確認する、という手順でした。

 きちんと本職である司法書士が確認しないと、禁止されている補助者立会いになっちゃうので、二度手間になっているわけですが、補助者の後の本職の確認ということで、周りの早くしてよ!感の視線が、グサグサ刺さっていたような気がします(笑)

 そう言えば、最初のころに、現金の決済で、買主さんがリュックサックから現金をおもむろに出してきた現場がありました。多分、2~3000万円くらいあったと思うのですが、テーブルの上に、大きな現金のカタマリを見たのは、あれが最初で最後でした。

 銀行の方が、現金を数えに来られたのですが、やはりプロ!お金を数えるのが早い、早い!お札を扇型に広げて、サクッ!サクッ!って、数えていく感じ(笑)

 今でも、500万円前後のお金は、決済の現場でよく見ますが、うん千万円となると、今では現場で見かけなくなりました。

 昔は、それこそ、銀行の応接室のテーブル上で、大きなお金が置かれて取引されていたのでしょうね。

 補助者の方の同行から卒業して、僕一人で、決済現場に行けるようになれたころには、銀行の窓口から振込みをして、振込み伝票の確認と、着金の確認だけで、目の前に現金が出てくることが少なくなってきたので、銀行の場所を借りることも少なくなってきました。

 決済の現場として、銀行の場所を借りられるかは、セットとして、銀行がコピーをとらせてくれるか、という問題になって、意外と重要です(笑)

 決済の現場では、本人確認の書類として、運転免許証等を持ってきてもらうことが多いです。そして、その場で運転免許証等の原本を確認して、コピーをとらせてもらいます。また、登記識別情報も、シールをめくって、コピーをとったり、登録免許税の減税で使用する住宅用家屋証明書の申請に添付するために、住民票の写しや、登記原因証明情報をコピーしたりと、決済の現場で、銀行がコピーをさせてくれるかは、意外と気になります(笑)

 銀行が決済の現場で場所を貸してくれている場合には、コピーをお願いできることが多いとは思うのですが、場所がとれていない場合には、近くのコンビニ等にコピーをとるために走る必要があるので、決済の現場に向かう時には、常にコンビニをチェックしながら歩いていました(笑)

 銀行の振込み等の待ちで、手続きに1時間以上かかることも多く、司法書士が最初の10~15分くらいで書類等の確認をした後、残りの時間はひたすら待ちの時間になります。ここからはお客さんとの会話が弾むかにすべてがかかっています。お客さんとの会話が弾まなければ、1時間近い時間を無言で過ごすことになります(笑)

 そのような光景も最近は、ネット銀行の登場で変わってきました。

 今まで、振込み伝票を決済現場の銀行で書いてから、銀行の窓口に出していたものが、ネット銀行で借り入れの契約(金消契約)をする際に、事前に振込み伝票も記入してしまって、当日は、電話で融資の実行の依頼だけ。銀行で場所を借りる必要もないので、喫茶店等でも決済ができてしまいます。

 コピーについても、運転免許証等のコピーは、最近では、現場で、スマホから写真を撮らせてもらうことも多く、1時間近くかかっていた時間も、ネット銀行だと振込みも早いので、ものの15分くらいで決済が終わってしまうこともあります。

 ただ、銀行の窓口を利用していると、今、手続きがどの程度進んでいるのか、進捗状況が把握できたりするのですが、ネット銀行だと、まったく分かりません(苦笑)

 ネット銀行なので、スマホや、パソコンで、融資の実行がされたことや、そこからの振込みの手続きが完了したことは分かるのですが、振込み先の口座(受け入れの銀行)に入金がされるまでに時間がかかることも多く、ネット上は振り込んでいるのに、相手に入金されないという、とても不安な時間を過ごすことも多いです。今、どうなっているのか、聞ける相手もいない…(笑)

 このように、ここ10年だけでも、決済現場もずいぶん変わったな~って感じです。そのうち、司法書士が事前に本人確認しておいて、オンラインで立会い、決済、なんて感じになる時代がくるかもしれないですね。ネットで立会い、決済、登記の申請なんてことになると、動かなくなって運動不足になりそうですが…(苦笑)

 

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<ブログ筆者の紹介>

中山 慶一なかやま よしかず (司法書士・Wセミナー専任講師)
プロフィール
フルタイムで働き、本試験直前まで仕事を続けながら合格。「基本を正確に、そして大切に」が合格への近道である、という自身の合格した経験をもとに、圧倒的な指導力で受講生を合格へと導く。「親身に、身近に、そして丁寧に」をモットーに講義を実施。
Wセミナーでは、初学者対象の「基礎総合コース」、中上級者対象の「上級総合本科生」、「上級本科生」等を担当している。