【司法書士】現役司法書士 中山慶一のブログ~司法書士を楽しむ~
第43回「独断と偏見!事務所用語辞典」



 こんにちは。司法書士の中山慶一です。

 先日、担当している中上級講座の日程がすべて終了しました。ホッとする気持ちと、さみしい気持ちと、受講生さんに、本試験で絶対に合格してもらいたいという気持ちと、本当に複雑な感じです。

 最後の科目は、刑法だったのですが、執行猶予と一部執行猶予が出たときの問題の解き方のポイントも確認させてもらいました。

 そう言えば、執行猶予がついた人のことを、業界では、「弁当持ち」と呼ぶそうです。司法書士業界では、そのような俗語的な用語は少ないと思いますが、事務所で使う用語も多々あります。

 先方の司法書士から、「“ゲンジョウ”流しておいて下さい。」なんて言われちゃうと、何を流すんだろ?って、なりますよね(笑)

 今日は、事務所等でよく聞く、用語をご紹介。試験には絶対に出ませんが、これをマスターすれば、事務所に入った後、即戦力になれること間違いなし!?です。ただし、事務所ごとに使われる言葉は変わるので、かなり僕の偏見が入っています(笑)


【事務所用語辞典】

●識情(しきじょう) 
 「登記識別情報」のコト。たまに、「識別(しきべつ)」と呼ぶ事務所もある。

●原情(げんじょう)
 「登記原因証明情報」のコト。たまに、「登原(とうげん)」と呼ぶ事務所もある。
 ちなみに、先日、先方が「登原(とうげん)」と呼んでいたものが、実は、「外国人登録原票」のコトで、しばらく、話についていけなかった失敗あり(笑)

●オンライン申請(おんらいんしんせい)
 勉強しているときに習う「オンライン」とは、なぜか、異なる。勉強で習うのは100%オンラインをオンラインと呼ぶが、実務では、特例方式のことをオンラインって呼んでいる気がする。

●被相(ひそう)
 「被相続人」のコト。知り合いの登記官の方が、そのように呼んでいたので、マネをすることにしたコトバ。

●当職(とうしょく)
 これは、一般でも使われるコトバ。1人称を指す。書類の返送をお願いする場合に、「僕に送り返して下さいね。」と書くよりも、「当職まで返送して下さい。」の方が、ちょっとカッコイイ。

●両手(りょうて)
 おそらく、不動産業界のコトバ。売主側と買主側の両方から依頼を受けることになる。つまり、両手は、儲かるので、ちょっとウレシイ。

●金消(きんしょう)
 金銭消費貸借契約のコト。司法書士も、銀行で金銭消費貸借契約(金消日)に立ち会うコトが多い。
 その際、本人確認と、委任状、場合によっては、登記識別情報を預かることがある。

●土地・建(とち・たて)
 土地と建物のコト。最初、事務所で働いたとき、電話口で、「土地・建」が、「土地だけ」に聞こえて、パニックになった。
 電話を切った後、「土地と建物」なのか、「土地だけ」なのか、分からなくなって、事務所で怒られ、事務所の電話に出るのがイヤになった苦い思い出がある(笑)

●借り換え(かりかえ)
 一般的には、今、お金を借りている銀行から、金利の安い銀行に変更することを指す。
 司法書士としては、「抵当権設定」の登記と「抵当権抹消」の登記が必要となるコトバとして聞こえる。

●抹確・抹消銀行(まっかく・まっしょうぎんこう)
 抵当権の抹消がある場合に、事前に、抹消に必要な書類を受け取る銀行(抹消銀行)に連絡して、登記原因証明情報となる解除証書等や、登記識別情報に間違いがないか、確認する作業(抹確)。
 その際、委任状の代表者の名前が知っていると、違っていたら、ちょっと驚くことになる。

●特ソ・減税・軽減(とくそ・げんぜい・けいげん)
 一定の要件で登録免許税等が安くなる「住宅用家屋証明書」のコト。個人的には、「特ソ」と呼ぶが、先方の司法書士に合わせて、使い分ける。
 使い方としては、「特ソを市役所に取りに行ってから申請します。」となる。

●評価・評価証明書(ひょうか・ひょうかしょうめいしょ)
 「固定資産税評価証明書」のコト。記述式試験のときには、不動産の課税標準の額が、補足事項で書かれるが、実務では、ここに書かれる。

●設定契(せっていけい)
 主に、「抵当権設定契約書証書」と書かれているもの。抵当権の設定の登記を申請する場合の登記原因証明情報となる。原本還付が必要。

●事後謄本・完了謄本(じごとうほん・かんりょうとうほん)
 登記が完了した後の、登記事項証明書のコト。TACの全国模試等でも、解説の最後に「完了後の登記記録」として紹介されている。
 決済の現場で、仲介した業者の方や、売主側の司法書士から、「また、完了謄本を送って下さい。」と頼まれることが多い。

●売渡・売渡書類(うりわたし・うりわたししょるい)
 こちらが買主側の代理をする場合に、売主側の司法書士から受け取る書類一式のコト。
 主に、①登記原因証明情報、②登記識別情報、③委任状、④印鑑証明書、⑤評価証明書、⑥未失効証明、⑦受領印照合票、⑧返信用のレターパックがセットになっている。

●受領証・受領書(じゅりょうしょう・じゅりょうしょ)
 抵当権の設定の登記をした後、銀行に必ず送る書類。登記所の窓口で申請を受け付けた証拠として、受付番号等が書かれたシールが貼られたり、ハンコが押されたりする。オンライン申請の場合には、それに代わるものとして、「受付のお知らせ」というものがプリントアウトできるようになっている。
 ちなみに、個人的には、「受領証」なのか、「受領書」なのか、よく分かっていない。同様の疑問として、「権利証」なのか、「権利書」なのか、未解決のままである。

●地図(ちず)
 個人には、土地の地番や配置が確認できる「公図」を意味するが、土地家屋調査士さんであれば、滅失の際に添付する「住宅地図」、業者の方であれば、住居表示と地番が確認できる、法務局備え置きの「ブルーマップ」が地図になるのかもしれない。

●表示があがる(ひょうじがあがる)
 所有権保存の登記をするためには、表示の登記が完了している必要がある。決済日までに、表示の登記がされるか、ドキドキさせられることもある。
 使い方としては、「もう、表示あがりました?」と、使う。

●受番(うけばん)
 登記を申請した際の、「受付番号」のコト。他の司法書士と、オンライン申請を連件でする場合には、前件の司法書士に、申請が終わった後、前件の受番を教えてもらって、後件の申請情報に記載する必要がある。

●先生トコ、何件?(せんせいとこ、なんけん?)
 決済現場でよく出る言葉。書面申請で、他の司法書士と連件で出す場合には、全体として、何件の申請になるのか、鉛筆で申請書に書くことが多い。
 使い方としては、「先生トコ、何件?ウチは、設定1件です。先生のトコは、抹消と移転の2件なら、全部で3件ですね。」といった感じになる。

●事前閲覧・未失効(じぜんえつらん・みしっこう)
 決済の当日または、決済の前日の夕方に、取引の対象となる不動産の登記内容を確認しておく必要がある(事前閲覧)。個人には、前日に確認したところ、消費税の滞納のため、国の差押えが入っていて、取引が流れたことがある。
 また、登記識別情報が失効していないことを確認するため、「未失効証明」をとるのも忘れてはいけない。

●場所、とってる?(ばしょ、とってる?)
 決済の当日に、銀行で集まったときに、最初にかわすコトバ。
 銀行の応接室やブースが予約できていると、ゆっくりと書類の確認ができるが、場所を予約していない場合には、書類を広げる場所に困る。

●先生、ハンコ(せんせい、はんこ)
 決済の当日に、他の司法書士と共同で申請する場合に、途中でかわすコトバ。
 通常、買主側の司法書士が申請書を作成して、売主側の司法書士に、申請書にハンコを押してもらう。

●着金確認(ちゃっきんかくにん)
 決済終了の瞬間のコト。決済の現場では、ひたすらこの瞬間を待ち続ける(笑)
 売主さんの銀行口座にお金が振り込まれたのを確認されたことで、決済がお開きになる。

●待ち合わせ(まちあわせ)
 決済の当日に、他の司法書士と書面申請で連件になるときに、最後にかわすことが多いコトバ。
 決済の現場では、抵当権の抹消の書類や、住宅用家屋証明書が揃っていないことが多いので、それぞれの司法書士が、決済が終わってから、各々、抹消銀行や、市役所に書類を受け取りに行った後、申請する法務局(登記所)で待ち合わせることになる。
 使い方としては、「今、10時半だから、13時待ち合わせでいいですか?」と使われるが、「13時って遅くない?まさか、お昼ご飯を食べる気か?」と、先方の行動が微妙に気になる。

●補正日(ほせいび)
 なぜか、最初にお世話になった事務所が使っていたコトバ。登記の完了日のことらしい。
 今でこそ、登記の完了日はインターネットで確認できるが、昔は、登記の申請を出した後、登記の完了日(補正日)をメモって来ないと、事務所に戻ってから怒られた。

●相談票・照会票(そうだんひょう・しょうかいひょう)
 司法書士が登記の申請で困ったときに、どうしたらいいか、管轄の登記所に質問するために使う用紙。
 使い方としては、登記官から「相談票、投げといて。」と、質問をかわされる。質問に対しては、自分で回答を作った上で、質問票を投げないと、登記官は、具体的にどうしたらいいかは、教えてくれない。

 さて、いろいろと思いつくまま書いてみましたが、どうでしょうか?

 これで、皆さんも合格した後、即戦力で事務所勤務できるはず!この用語辞典を携えて、事務所でバリバリ勤務して下さい(笑)

 

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<ブログ筆者の紹介>

中山 慶一なかやま よしかず (司法書士・Wセミナー専任講師)
プロフィール
フルタイムで働き、本試験直前まで仕事を続けながら合格。「基本を正確に、そして大切に」が合格への近道である、という自身の合格した経験をもとに、圧倒的な指導力で受講生を合格へと導く。「親身に、身近に、そして丁寧に」をモットーに講義を実施。
Wセミナーでは、初学者対象の「基礎総合コース」、中上級者対象の「上級総合本科生」、「上級本科生」等を担当している。