【司法書士】現役司法書士 中山慶一のブログ~司法書士を楽しむ~
第51回「上申書」



 こんにちは。司法書士の中山慶一です。

 3回ほど、不動産登記法の改正事項を確認しながら、「司法書士の未来は明るいぞ!」って、お話を書いてきました。今回は、「相続土地国庫帰属制度」について書こうと思ったのですが、ちょっと改正は、ひと休み(笑)

 今日は「上申書」について、書いてみましょう。

 たま~に、不動産登記法や商業登記法の勉強とかしていると目にする「上申書」というコトバ。

 僕は、司法書士試験に合格するまで、司法書士事務所での経験が全くなかったので、「上申書」というものが、さっぱり分かりませんでした。

 受験生時代のイメージとしては、不動産登記で住所の変更の登記をしようとした場合に、住民票等の保管期限が切れたり、途中で海外に移っていたりして、住所の沿革がつかないような場面や、相続登記で書類が全部そろわないような場面のように、何らかの困った事情が起きた場合に、ゴメンナサイ的に添える書類という認識(笑)

 受験テキストとかに、「この場合には、実務的には、上申書を添付する。」なんて書かれても、本当に、さっぱりイメージが持てませんでした。

 まぁ、「上申書」なんて、実務的な内容なので、「どうせ、司法書士試験で問われることはないだろうし、実務をやれば自然に分かるだろう。」と気にせず、受験生時代は、テキストを読み流していました。

 そして、今。

 前半部分の「どうせ、司法書士試験で問われることはないだろう。」の部分は正解だったのですが、後半部分の「実務をやれば自然に分かるだろう。」の部分は、いまだに困ることが多いです(笑)

 そもそも「上申書」って何?と思い、調べてみると、「意見や陳述などを法的な体裁を取らずに、報告や申し立てをするために作成する書類」というような意味で書かれています。

 この「法的な体裁を取らずに」という部分が難しい。要するに、「フォーマットがない」ということ。何を、どのように書けばいいのか、決まりがないものを書くのは、意外と困ります。

 「このように書きましょう!」って、フォーマットがあれば、簡単に書けるのですが、自分で考えて書かないといけない(笑)

 もちろん、不動産登記で住民票の沿革がつかないような、よくあるパターンは、それなりの実務的な経験があるので、自分の中でフォーマットができているのですが、この前も、帰化された方で、本国に届出していないため、本国での戸籍等が全く存在していなくて、どうしたものか…って感じ。

 登記所でもよく、「上申書つけてといて!」なんて言われるのですが、つい、「どのような内容で書けばいいのですか?」って聞き返しちゃいますが、絶対に、返事はもらえません(笑)

 たいがい、「先生、自分で考えてよ。それ(上申書)を見て登記所は判断するから。」なんて言われます。

 「おいおい。それ(上申書)を見て判断するってことは、ダメだったら、どうしたらいいんだよ。書き方の正解を教えてよ。」なんて、心の中で思ったりもするのですが、最後の抵抗で、「○○みたいな内容が入っていたらいいですよね?」と、最低限、記載が入っていないとダメな内容を聞き出すので精一杯(笑)

 「上申書」って、「つけてね」という側は楽ですが、「つける」側は意外と悩ましいです。

 このあたりは、イレギュラーな場面に出会った場数の勝負でもあるので、皆さんも合格したら、いろいろとイレギュラーな場面にチャレンジして下さい(笑)

 同時に、同期のような実務での仲間も作っておくことが安心です。いろいろと情報交換もできますから。

 ということで、なぜ突然、「上申書」の話を書いたかというと、今、まさに「上申書」の書き方で悩んでいる途中だった…というオチです(笑)

 パソコンの前で「上申書」の内容について頭を悩ませていると、「あっ、ブログの原稿の提出期限だ!」と気づいた次第で…(汗)

 今、作成途中の「上申書」は、相続放棄の申述の案件ですが、熟慮期間の3か月の期間は、とっくに過ぎちゃっています。

 司法書士に家庭裁判所の代理権はありませんが、「上申書」を添付することで、送達場所や原本還付の受取人に指定することもできます。

 そして、今回は、その「上申書」に「相続放棄に至るまでの経緯等」も書いて、なんとか裁判所に認めてもらえるように、頑張って「上申書」を作成中(笑)

 「上申書」って、便利なようで、なかなか奥が深く、厄介な書類だな~と思う今日この頃でした(笑)


☜第50回「ここが変わるよ。不動産登記法(その3)」はこちら


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<ブログ筆者の紹介>

中山 慶一なかやま よしかず (司法書士・Wセミナー専任講師)
プロフィール
フルタイムで働き、本試験直前まで仕事を続けながら合格。「基本を正確に、そして大切に」が合格への近道である、という自身の合格した経験をもとに、圧倒的な指導力で受講生を合格へと導く。「親身に、身近に、そして丁寧に」をモットーに講義を実施。
Wセミナーでは、初学者対象の「入門総合本科生(旧 基礎総合コース)」、中上級者対象の「上級総合本科生」、「上級本科生」等を担当している。