【司法書士】現役司法書士 中山慶一のブログ~司法書士を楽しむ~
第73回「登録免許税を値切ってみた(笑)」



 こんにちは。司法書士の中山慶一です。

 パソコンを買い換えたお話は、ちょっと前にしたかと思います。アナログな僕は、いきなりの不動産登記のオンライン申請は、電子署名等、何かトラブルがあったときにコワいので、まずは、商業登記の役員変更で問題なく申請できるか、確認をしていたのは、ご存知の通り(笑)

 さて、満を持して不動産登記のオンライン申請をしたのですが、やっぱりトラブりました(笑)

 僕は、オンライン申請をする際、法務省の総合申請ソフトを利用しているのですが、登記識別情報が添付できない状態が発生(苦笑)

 オンライン申請の場合に、絶対にオンラインで送らないといけない唯一の情報が登記識別情報。それが送れない(汗)

 正確には、オンライン申請の画面で登記識別情報のパスワードを入力しても添付できない。

 え~っ!!!!…って感じです(笑)かなり焦りました。

 問い合わせ窓口で、確認してみると、新しいパソコンの「ユーザーフォルダ名」の文字が長いことが原因だと…。もう一度、「ユーザーフォルダ名」を変更してからやり直して欲しいと…。

 いやいやいや…。アナログな僕には、ムリ(苦笑)

 ネットで調べても、最初に設定した「ユーザーフォルダ名」は変更できない、って出てくるし…。

 ということで、とりあえず、不動産登記の申請は古い前のパソコンで申請をして、新しいパソコンは、初期化しちゃいました(笑)

 あ~ぁ…って感じですよね。なんか、いろいろと調べたら、「ユーザーフォルダ名」の変更もできるみたいですが、読んでいるだけ、時間がかかる。

 それならば、まだ買ったばかりのパソコン。初期化の方が早いかと…。

 いやぁ~、ホント、えらい目にあいました(苦笑)

 さて、今回は、珍しい登記原因のお話。

 相続人間で、遺産分割協議がまとまらず、とりあえず、相続の登記を経由したものの、遺産分割協議がまとまる感じが全くしません。しびれを切らした一人の相続人が遺産分割協議から離脱したいとのご相談。

 そこで提案したのが、「相続分の譲渡」

 不動産登記の勉強でも、よく出てきますね。本試験の記述式試験で出題されるかも、と、準備をされている受験生の方も多いと思います。

 相続分の譲渡は、譲渡を受ける人が相続人なのか、第三者なのか、を見極める必要がありますし、すでに相続の登記が経由されているか、まだ、これから相続登記をするのかで、場合を分けて考えていく必要があります。

 また、「相続分の譲渡」という登記原因は使えないことも重要ですね。

 登記する場合には、「相続分の売買」とするか、「相続分の贈与」と記載することになります。

 さて、試験的に重要な「相続分の譲渡」ですが、実務で出会ったのはこれが初めて。まぁ、出会ったと言うより、僕が提案したわけですが…(笑)

 ただ、お客さんに今回の登記の原因について説明している途中で、ずっと気になっていることがありました。それは、登録免許税の計算。

 「贈与」を原因とする所有権移転の登記の登録免許税は、1000分の20。それに対して、「相続」を原因とする所有権移転の登記は、1000分の4。

 1000万円の不動産であれば、20万円かかるか、4万円になるかは、お客さんにとっては気になる部分です。

 実際、現場で、お客さんにも、「いくら費用がかかるの?」って聞かれました。

 今回は、相続人間で、「相続分の贈与」を原因とする持分全部移転の登記をするわけですが、譲り受ける側が第三者であれば1000分の20になるのは間違いないのですが、相続人に渡す場合はどうなるのでしょうか?

 例えば、相続人間での「遺産分割」を原因とする持分全部移転の登記をする場合には1000分の4ですよね。

 また、相続人に対して、「遺贈」を原因とする所有権移転の登記をする場合にも、1000分の4になります。

 ただ両者は、いずれも先例が存在します。でも、確か、「相続分の贈与」の場合には先例がないはず。

 感覚的には、「遺贈」とよく似ている感じがします。「遺贈」も、第三者に対する遺贈か、相続人に対する遺贈かで分けて考えます。

 また、相続人間で持分全部移転をする点では、遺産分割で持分全部移転するのと同じ。

 なんか、1000分の4で、行けそうな気がする…。

 ということで、管轄の法務局に照会しました。ノリとしては、「当然、1000分の4ですよね?」みたいな決めつけ的な意見を添えて(笑)

 ネットで調べてみると、「相続人間であれば、1000分の4」と書かれているものや、「いや、相続人間でも1000分の20です!」って書かれている司法書士もおられるようで、実際、法務局によって取り扱いが異なるのかもしれません。

 ところで、僕は受験生の時、「1000分の4」とか、「1000分の20」って言い方に、なかなか慣れませんでした。

 皆さんはどうですか?

 僕は、今まで人生の中で「1000分の~」って言い方をしたこともなく、大きい分母だな~と思うものの、全くなじめず、登録免許税の計算問題が嫌いになった原因の一つになりました(笑)

 今では、お客さんに説明するときには、「相続は、0.4%です。でも贈与は2%です。」と、「%」を使って説明することにしています。きっとその方が、お客さんは分かりやすいと、個人的に思い込んでいます。

 さて、照会の結果ですが、いろいろと調べてもらったようで、結論としては、「1000分の20」って、電話で言われちゃいました(笑)

 「先例とかないですもんね…。」と元気なく、僕が返事すると…。

 「大丈夫ですか?」と聞かれたので、「大丈夫じゃないです!なんとかできますか?」と値切ろうとしたものの、瞬殺で、「ムリです!」と返されました。

 登録免許税は、電化製品と違って、値切り交渉はできません(笑)

 さて、お客さんに聞かれた時に僕の返答ですが、現場で僕は、「1000分の20」で計算して伝えていました。だって、「1000分の4」でご費用をお伝えして、後で、5倍の値段を伝えたら、相手も不信感を持ちますよね。

 それならば、高い方の「1000分の20」でお伝えしておいて、後で、「すみませ~ん。僕、この前、計算を間違えていて、もっと安くなりました~。」って伝える方が、お客さんも「どんくさい司法書士だな~。」って、笑ってくれるでしょ?

 このあたりは、せこいですが、今まで身につけてきたリスク回避のひとつですね(笑)とりあえず、「1000分の4」って伝えなくてよかった…ホッと安心。



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<ブログ筆者の紹介>

中山 慶一なかやま よしかず (司法書士・Wセミナー専任講師)
プロフィール
フルタイムで働きながら、2010年10月に司法書士試験に合格。堺市の個人事務所、大阪市内の司法書士法人で勤務して実務を学ぶ。合格して1年後の2011年10月に個人事務所を開業。以後、葬儀・墓地の相談を中心に、法人等の顧問として活躍。また、法務局の登記相談員として幅広く、登記の相談も受けている。Wセミナーでは、「基本を正確に、そして大切に」が合格への近道である、という自身の経験を基に、圧倒的な指導力で受講生を合格へと導く。
Wセミナーでは、初学者対象の「入門総合本科生」、中上級者対象の「上級総合本科生」等を担当している。