【宅建士】
ちょっとした実務の話


みなさんこんにちは。
このところ、中途半端に寒かったり暑かったりする日が続いていますね。
ただ個人的には、この時期は講義の収録などがないので、堂々と風邪を引くことができるナイスなシーズン到来、と思っています(笑)。

さて、今回は試験によく出るテーマ「瑕疵担保責任」について少し実務的な話をしてみたいと思います。
「瑕疵」とは傷や欠陥のことをいい、例えば建物の売買契約で、売った建物の屋根に穴があいていた(=欠陥があった)ような場合、売主は欠陥を知らなかった買主に対して損害賠償等をしなければならない、というのが瑕疵担保責任です。今年の試験では「自動車」で問われました。
ここで実務上よく問題になるのが、「心理的瑕疵」についてです。
例えば、中古の建物を買う際に、その建物内で以前、自殺者が出た、などということが判明した場合、買う側としては購入をためらいますよね?つまり、これも建物の欠陥にあたるのです。今回は屋根に穴が開いているといった物理的な欠陥ではなく、買主が感じる嫌悪感や住みにくさが対象なので、「心理的」な瑕疵というわけです。
この心理的瑕疵については売主から買主に告知する義務があり、売主が瑕疵を知っていながら買主に告知しなかった場合は、買主に対して損害賠償等をしなければなりません。
では、売主は、いつまで買主に対して告知する義務を負うのでしょうか?
実は裁判所の判断はまちまちです。
それは、事件の重大性(他殺か、自殺か、自然死か)や、事件の起きた場所{住民の流動性が高い地域か低い地域か(例えば都内か地方か)}などの違いを考慮し個別に判断されるものからです。
ちなみに賃貸借のケースでは、「1回転した場合」「事件から2年経過した場合」は告知しなくていい、という裁判所の判例があります。
「1回転した場合」とは、貸主は、借主が自殺した場合、次の賃借人には自殺があった旨告知する必要がありますが、その次の賃借人には告げなくてもいい、という意味です。
ただこれもあくまでもモデルケースであり、事件の重大性等によって異なる判断をしている判例も多くあります。
先日、マスコミをにぎわせた大きな事件がありましたが、あのような重大事件だと、賃貸人は今後相当長い期間、事件内容について告知する義務があることになるでしょう。

以上、今回は少し切り口を変えてお話しました。