【宅建士】
宅建業法の学習指針:全体編③
~今年度の法改正について~


全国20万の宅建ファンの皆様こんにちは。才間です。

引き続き、「宅建業法」の学習指針についてお話を致します。
今回は、全体編の最後として、最新の法改正(今年度より施行されたルール)について取り上げてみます。

宅建業法の攻略法その⑤:最新の法改正をチェックしよう

法改正その①建物現況調査(インスペクション)に関する事項

  1. ・媒介契約書面について、「既存建物の状況調査を実施する者のあっせんに関する事項」の記載を追加。
  2. ・重要事項の説明対象・重要事項説明書(35条書面)の記載事項に、「既存建物の状況調査の結果の概要」、「建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の保存の状況」を追加。
  3. ・37条書面の記載事項に、「既存の建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者双方が確認した事項」を追加。

→建物現況調査(インスペクション)とは、「中古住宅の流通を活発化させたい」という狙いのもと、行われている制度です。
中古住宅は経年劣化していますので、新築住宅と比べると、建物の状態や質について、少なからず不安を抱えています。このような理由から、中古住宅の購入等に踏み切れない消費者が一定数いると考えられ、中古住宅の流通が活性化しない要因とされています。
このような消費者が、安心して中古住宅の購入等に踏み切れるように、「建物の構造耐力上主要な部分等について、一定の講習を修了した建築士等が調査を行い、その情報を当事者間でキチンと共有できるようにするとよいのではないか」という考えの下、このような制度があります。
  建物現況調査自体は、以前から行われていましたが、書面化という観点においては、各自に一任をされている状態でした。そこで法改正により、各書面の説明や交付をする際に、建物現況調査に関する事項の説明や記載が義務付けられました。


法改正その②ITを活用した重要事項説明

宅地建物の貸借(売買・交換については不可)の代理又は媒介に係る重要事項の説明についてIT活用が可能となった。

→これからは、直接不動産屋さんに出向かなくとも、テレビ会議等で重要事項説明を受けることができるようになりました。遠方からの引っ越しの際など、重宝することでしょう。


法改正その③低廉な空家等の売買・交換に関する特例

代金額が400万円以下(消費税は含まない)の宅地建物(低廉な空家等)であって、通常の媒介・代理と比較して現地調査等の費用を要するものについては、依頼者である売主又は交換を行う者から通常の報酬額の上限に、当該現地調査費用等に相当する額を加えた額を報酬として受領できる。ただし、現地調査に要する費用を加えた合計報酬額は、18万円+消費税を超えてはならない。

→こちらは、「空き家」の流通の活発化を狙った制度です。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、空き家は増加の一途をたどっており、社会問題化しています。そこで、流通の活発化を考えるわけですが、空き家は、消費者だけでなく、宅建業者としても手を出しにくい存在なのです。
というのも、現実的な問題として、空き家は価値が低いとされる傾向にあるからです。仮に契約を成立させたとしても、「現地調査に要した費用」と、宅建業者が受領する「報酬の額」が見合わないという問題が生じかねません。
そこで、宅地建物取引業における報酬額の規定に特例を設け、「(空き家のような)通常の媒介・代理と比較して現地調査等の費用を要するものについては、通常の報酬額だけでなく、当該現地調査等の費用も受けることができる」こととしました。

次回は、宅建業法のうち、躓きがちな単元について解説します。