【宅建士】
宅建業法入門②(業務に関するルール)


皆さんこんにちは。

前回は、新規開店までの流れをお話ししました。
宅建業を始めるには、(1)宅建業の免許、(2)事務所の設置、(3)保証金の供託と届出が必要ということでしたよね。
今回は、いよいよ新店舗オープンということで、「業務に関するルール」をお話しします。業務に関するルールは、「(1)依頼を受ける、(2)広告をする、(3)重要事項の説明をする、(4)契約内容記載書面を交付する、(5)報酬を受領する」という一連の取引の流れに沿って規定されています。
そこで、次の具体例をもとに見ていきましょう。

開店したところ、幸先よく、お客さんが来ました。「土地を売りたい。土地の造成工事は終了して更地になっている。すぐ買ってくれる人を探してほしい。」とのことです。

(1)依頼を受ける
依頼の受け方は、代理と媒介(仲介)があります。今回の依頼は「すぐ買ってくれる人を探してほしい」とのことですので、お客さんと媒介契約を結びます(本試験も媒介中心の出題です)。
媒介契約には、①一般媒介契約、②専任媒介契約、③専属専任媒介契約の3種類があります。
①一般媒介契約は、基本的には重ねて他の宅建業者に依頼できますし、自分で相手方を探すこともできます。
一方、②専任媒介契約と③専属専任媒介契約は、重ねて他の宅建業者に依頼することは禁止されます。そして、②専任媒介契約は自分で相手方を探すことができますが、③専属専任媒介契約はそれも禁止されます。
また、媒介契約では、契約の有効期間の定め、業務処理状況の報告義務などを定めますが、媒介契約の種類により内容に違いがあります。

(2)広告をする
宅建業者は、宅地の造成・建物の建築に関する工事の完了前においては、その工事に必要とされる許可・確認等が下りた後でなければ、広告をすることができません。今回の依頼では「土地の造成工事は終了して更地になっている」とのことですので、直ちに広告をすることができます。
また、当然のことながら、誇大広告は禁止されます。
誇大広告には、おとり広告も含まれます。
広告の物件は「売約済み」と言って、別の売れ残り物件に案内すると、お客さんは広告を見て買う気になっていますので、衝動買いするおそれがあるからです。

(3)重要事項の説明をする
広告をしたところ、別のお客さんが来ました。
「マイホームを建てるための土地が欲しい。広告に掲載された土地に興味がある。」とのことです。

広告を見て来店したお客さんは、広告に掲載された情報以外のことを全く知らない状態です。
そこで、契約前に「知りたい」と思うような情報を提供してあげるのが、重要事項の説明です。口頭で説明されるだけではよく理解できませんし忘れてしまうので、宅建業者は、重要事項説明書(35条書面)を交付しなければなりません。

(4)契約内容記載書面を交付する
重要事項の説明を受けたお客さんは、この土地を買うことにして、売主と売買契約を結びました。契約は口約束でも成立するのですが、「言った、言わない」と後でトラブルになりがちです。
そこで、契約後のトラブルを防止するため、宅建業者は、所定の事項を記載した契約内容記載書面(37条書面、いわゆる契約書)を交付しなければなりません。

【宅建士の仕事】
契約の前後に登場して、重要事項説明と契約内容記載書面に関与するのが宅建士です。宅建士は、①重要事項の説明、②重要事項説明書の記名押印、③契約内容記載書面の記名押印を独占業務としています。なお、契約内容記載書面の内容は両当事者(売主・買主)の合意に基づいていますので、宅建士の説明は不要です。

(5)報酬を受領する
この土地は1000万円で売買が成立しました。今回、宅建業者は媒介ですので、報酬(仲介手数料)を受け取れます。ただし、法外な報酬を受け取らないよう、限度額が定められています。
今回のように代金額が400万円を超える場合には、「3%+6万円」で算出した金額が限度額となります。
そうすると、36万円と算出されますが、課税事業者であれば消費税分を掛け(×1.1)、39万6000円が上限となります。


【ある講義後のやりとり】

受講生Dさん 「宅建業って儲かるんですね。宅建士になれば収入もアップですね!」

私(山口) 「報酬は業者のものだから、独立しないと直接受け取れませんよ。でも、宅建士はやりがいのある仕事だし、一生懸命やれば、きっと見返りはあるでしょう。」

受講生Dさん 「そうですよね。まずは合格目指して頑張ります!」


※勉強にはモチベーションの維持が重要です。宅建士となったご自身の姿を想像してみてはいかがでしょうか。もちろん合格祝賀会で担当講師に「合格の報告をしたい」というのもアリです(そう思っていただけると、講師にとっては講義を頑張るモチベーションにもなります(笑))。