【宅建士】
法令上の制限の概要①


こんにちは。山口です。
前回4月のブログでは宅建業法を学習しましたが、宅建士の独占業務である「重要事項の説明」を覚えていますか?この説明事項のなかに「都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限で政令に定めるものに関する事項の概要」という事項があります。そのため、「法令上の制限」が試験科目に含まれています。
今回は、「法令上の制限」8問のうち、2問ずつ出題される都市計画法と建築基準法を見ていきます。

1.「都市計画法」
(1)都市計画法の全体構造
都市計画法は、「計画的な街づくり」を目的とした法律です。都市計画法の規定を受けて、他の法律が細かな規定を設けています。そのため、法令上の制限のスタートとして重要な法律といえます。

(2)都市計画の流れ
計画的な街づくりは、①街を作る場所を決め(都市計画区域の指定)、②どのような街にするかのメニューを選び(都市計画の内容)、③具体的なプランの支障となる行為をさせない(都市計画制限)という段階を経て行います。
まずは、街づくりを行う場所を「都市計画区域」と指定します。一体の都市として総合的に整備・開発・保全するという観点から、県や市などの行政区画とは無関係に指定できます。
この都市計画区域は、「市街化区域」と「市街化調整区域」の2つに分けられます(区域区分)。市街化区域は街づくりを積極的に行う地域であり、市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域を指します。市街化調整区域は、街づくりをさせないために、特に建築に対する規制が強い地域です。
さらに、地域の利用目的を決め、その目的に合った建物を建てるようにするプランを立てます(地域地区)。これは、大きく「用途地域」と「補助的地域地区」に分けられます。
用途地域は、住居用の建物を建てる地域として8種類、商業用の建物を建てる地域として2種類、工業用の建物を建てる地域として3種類の計13種類があります。補助的地域地区は、地域の特色に応じて、用途をよりきめ細かく規制するものです。試験では、各項目の定義を入れ替えて引っかける問題がよくあります。
そして、必要に応じて、道路や公園、下水道など、都市の生活や都市機能の維持に欠かせない施設を都市施設として都市計画に定めます。その上で、都市計画に定められた都市施設(都市計画施設)の区域内では、工事に支障が生じないよう建築行為などに対して一定の制限が定められています。

(3)開発行為の規制
開発行為とは、①建築物の建築(または特定工作物の建設)を目的として行う、②一定規模の土地の区画形質の変更(造成工事)のことをいいます。この開発行為を行おうとする者は、原則として、都道府県知事の許可(開発許可)を受けなければなりません。許可制により、乱開発の防止を図ることを目的としています。なお、例外的に許可不要となる場合もあります。

2.「建築基準法」
建築基準法の目的は、建築物の敷地、構造、設備および用途に関する最低の基準(規制)を定めて、国民の生命、健康および財産の保護を図ることにあります。
内容は大きく分けて2つあり、①全国における建物の安全や衛生の確保を目的とした単体規定、②特に都市計画区域内(準都市計画区域内)における建物に対する規制を目的とした集団規定が定められています。
試験では集団規定に関する出題が多いので、集団規定を中心に学習することになります。集団規定には、道路との関係で建物の敷地に規制を加える道路規制、建物の使い方を規制する用途規制、建物の大きさや広さを規制する建蔽率・容積率・高さ制限などがあります。
また、単体規定・集団規定による規制に違反した建築物の出現を未然に防止するためのチェックとして、建築確認の手続が用意されています。

【ある講義後のやりとり】

受講生Eさん 「法令上の制限で勉強する内容は、専門的すぎて自分とは縁のないような感じがして理解できません。過去問に出た内容を丸暗記でいいんですか?」

私(山口) 「丸暗記できればいいのですが、苦痛ですよね。不動産の広告には、用途地域や建蔽率などが書かれています。また、建設現場には、開発許可や建築確認の掲示があります。法令上の制限で勉強する内容は意外と身近な存在なので、意識して探すと面白いですし、自然と理解できますよ。」


また、建設現場には、開発許可や建築確認の掲示があります。法令上の制限で勉強する内容は意外と身近な存在なので、意識して探すと面白いですし、自然と理解できますよ。」

※法令上の制限を勉強すると、帰り道や買い物の際に新たな発見がありますので、歩くのが楽しくなります。コロナ対策を万全にして、「法令上の制限探し」をしてみてください。