【宅建士】
民法改正点6項目①


みなさん、こんにちは。山口です。早速ですが、宅建士試験では、合格後すぐに宅建士の業務を行える人材を選別するために、最新の法律知識が問われます。そこで、今回と次回の2回にわたり、民法の改正点のうち6項目を確認して、点数アップにつなげましょう。

1.債務不履行
(1)履行遅滞時期
不確定期限つき債務の履行遅滞時期に注意しましょう。不確定期限とは、「桜の開花宣言の日に弁済する」というような、到来する時期が不明確な期限がついている債務のことをいいます。債務者は、①その期限の到来した後に債務者が「履行の請求を受けた時」、または、②その期限の到来したことを債務者が「知った時」のいずれか早い時から責任を負います。

(2)履行遅滞中の履行不能
債務者の履行遅滞中に、当事者双方の責めに帰することができない事由により、履行不能となったときは、その履行不能は、債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなされます。
例えば、債権者が建物の引渡しを求めたが、債務者が期日を過ぎても建物を引き渡そうとしない間に(履行遅滞)、震災により建物が倒壊した場合には(履行不能)、建物を引き渡せないことの責任は債務者が負います。

(3)法定利率
金銭債務の履行が遅滞した場合は、当然に法定利率に従って遅延損害金(遅延賠償)の請求ができます。この法定利率は年3%で、市場金利に合わせるため、3年に一度見直しがされます。

2.契約不適合責任(売主の担保責任)

(1)契約不適合責任の4タイプ
契約不適合責任については、まずは、4タイプを正確に覚えましょう。①種類・②品質・③数量・④権利に関する不適合です。

(2)契約不適合責任の内容
売主が負う責任の内容は4つあります。①追完請求権(目的物の修補・代替物の引渡し・不足分の引渡しのいずれか)、②代金減額請求権、③損害賠償請求権、④解除権です。契約不適合責任の追及には、売主の帰責事由は「不要」ですが、買主に帰責事由がある場合には行使できません。
①追完請求権について、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完ができます。一部のパーツの修理で済むのに新品に交換を迫るクレームなどに対応する規定です。
②代金減額請求権は、不適合があった部分の「一部解除」と考えられますので、解除の一般規定と同じように規定されています。買主が売主に対して、相当の期間を定めて追完を催告し、その期間内に追完がない場合に、代金減額請求権を行使できます。ただし、追完不能などの場合には、直ちに無催告で行使できます。

(3)損害賠償請求と解除
③損害賠償請求については、債務不履行の一般規定で規律されるため、売主の帰責事由が「必要」です。一方、④解除については、解除の一般規定で規律されるため、売主の帰責事由は「不要」です。

(4)責任追及の期間制限
①種類・②品質に関する契約不適合の場合には、その不適合を知ってから1年以内に、その旨を売主に通知しなければ、売主に対して責任追及できません。
ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り(悪意)、または、重大な過失によって知らなかったときは、期間制限はされません。また、③数量・④権利に関する契約不適合の場合にも、この期間制限はありません。

3.危険負担
(1)債務者主義の原則
危険負担とは、当事者双方の責めに帰することができない事由により、一方の債務が履行不能となった場合に生じる問題です。例えば、建物の売買契約がなされたが、その後、落雷により焼失したような場合です。
目的物を取得できないのに、代金を支払うのは不合理ですので、買主(引渡債権者)は、原則として、売主(引渡債務者)に対して代金支払いを拒むことができます。一方、売主は、目的物を失い、さらに代金を得られません(引渡「債務者」が危険を負担することになります)。
ただし、買主(引渡債権者)の責めに帰すべき事由によって引渡しができなくなったときは、代金支払いを拒めません。

(2)引渡しによる危険の移転
売主(引渡債務者)から買主(引渡債権者)に、目的物が引き渡された時点以後に、目的物が滅失・損傷した場合には、危険は買主に移転します。この場合、買主は、契約不適合責任追及も、代金支払拒絶もできません。


【ある講義後のやりとり】

受講生Gさん 「お休みの日は何をしてるんですか?」

私(山口) 「人がいなくて自然が残っている場所に行きますよ。生き物や草花などの自然観察が中心ですが、何もせずに景色や星空を眺めて過ごすのも好きですよ。」

受講生Gさん 「意外です。インドア派かと思ってました。」


※一刻も早くコロナの感染が落ち着き、気兼ねなく移動ができることを願っています。