【宅建士】
宅建業法の重要ポイント②
こんにちは。山口です。
前回のブログでも申し上げましたが、本試験まで時間のある8月中に宅建業法をまとめておくと、直前期に余裕をもって総復習できます。
まだまだ暑いですが頑張っていきましょう。
(6)広告開始時期と契約締結時期
「貸借」の扱いの違いに注意しましょう。
広告開始時期の制限 | 契約締結時期の制限 |
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造成・建築工事に必要な許可・確認等が下りた「後」でなければ、すべての取引態様における広告や売買(交換)契約をすることができない | |
※許可・確認等が下りる「前」→「貸借の広告」はできない | ※許可・確認等が下りる「前」→「貸借の契約」はできる |
(7)35条書面と37条書面
35条書面は「契約前」に契約をするかどうかの判断に必要な情報を書く、37条書面は「契約後」にトラブルを防止するために確認した事項を書くというように、異なった視点から学習しましょう。
さらに、問題を解いて答え合わせをする際、35条書面の記載事項を確認すると同時に、37条書面の記載事項になっているかも確認すると効果的です。
(8)8種規制
8種規制は、「宅建業者」が所有する物件(「自ら売主」となる物件)を「消費者」(宅建業者でない者)に売却する場合に適用されます。この場合、宅建業者は、「客を逃したくない」または「損をしたくない」との思惑から、客である消費者の知識不足につけこみ、宅建業者が行いがちな8種類の方法を規制しています。
また、住宅瑕疵担保履行法は、宅建業者が宅建業者でない者に新築住宅を販売する場合を適用場面としていますので、8種規制に含めて学習しましょう。
①取引の経験・知識のある「宅建業者が買主」の場合には適用されない →「宅建業者であるA」とか「宅建業者でないB」という問題文の記述に注目 |
②宅建業者が買主の場合に適用されないのは、「自ら売主制限」の8種類だけに限られる →その他の義務・規制は、宅建業者間の取引であっても、原則的に適用される |
③手付金の額は代金額の20%(10分の2)が上限 →手付金等の保全措置がされている場合、手付金以外の内金・中間金などは受領できる額を制限されないが、手付金は20%(10分の2)を超えて受領できない |
(9)報酬額の制限
報酬については、計算ドリルのように過去問を解き、計算に慣れておけば、確実に得点できます。以下の順番で考えることにより、計算ミスを防げますし、時間も短縮できます。
売買の事例 |
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①「一方」から「媒介」の依頼があったものとして、上限額を算出する |
②「双方からの媒介」・「代理」の事例であれば、①の算出額を2倍にする |
③課税業者なら、消費税分(1.1)を掛ける 免税業者なら、「みなし仕入れ率分」(1.04)を掛ける |
貸借の事例 |
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①「借賃の1カ月分」(+消費税)が上限額 →これを超えているかどうか、選択肢の報酬額と照らし合わせて、正誤を判断する ※「居住用」建物の「媒介」の場合には、「借賃の半額」(2分の1カ月分+消費税)が上限額であるが、依頼者から「承諾」を得ていれば、「借賃の1カ月分」(+消費税)が上限額となる |
②権利金の授受がある場合には、権利金を売買代金とみなして、売買の事例と同様に算出した金額と、借賃1カ月分とを比較して、高い方が上限額となる ※権利金の額は「400万円以下」の場合もあることに注意 →「3%+6万円」ではなく、「4%+2万円」や「5%」で計算することもある |
(10)監督処分と罰則
「宅建業者」に対する監督処分について、①指示処分、②業務停止処分(最長1年)は、免許権者だけでなく、業務地を管轄する都道府県知事もすることができます。一方、③免許取消処分は免許権者しかできません。
同様に、「宅建士」に対する監督処分についても、①指示処分、②事務停止処分(最長1年)は、登録先の都道府県知事だけでなく、行為地を管轄する都道府県知事もすることができますが、③登録消除処分は登録先の都道府県知事しかできません。
なお、罰則は、以下の特徴のあるものを中心に覚えておきましょう。
①一番重い罰則 免許に関する不正=3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金・併科 |
②一番軽い罰則 宅建士証に関する不正=10万円以下の「過料」(刑事罰ではなく前科にならない) |
③事務所ごとの「5点セット」違反 「専任の宅建士の設置義務違反」だけ重罰=100万円以下の罰金 その他4つの違反=50万円以下の罰金 |
④懲役刑のある刑罰 重要な義務違反行為をした場合 |
⑤両罰規定 従業者に重い罰則(懲役3年または2年以下の規定)が適用される場合、宅建業者(法人業者)に対しても1億円以下の罰金が科される |