【宅建士】
試験直前チェック事項


皆さんこんにちは、山口です。
今回も本試験をテーマにお話していきます。
本試験では最新の知識を問うために、改正点に基づく出題があります。
また、税法は特例措置を中心に、効率よく見直しをするとよいでしょう。


1.改正点のポイント
宅建業法は、重要事項の説明事項の追加・IT重説の全面的解禁、都市計画法は、町村の都市計画策定手続の改正が重要です。

(1)民法等
①自筆証書遺言書保管制度
法務局の遺言書保管官により保管される。保管された遺言書は、家庭裁判所の検認が不要となる。相続人は、全国どこの法務局においても、遺言書の閲覧・遺言書情報証明書の交付を受けられる。
②筆界特定制度
土地の境界トラブルの早期解決を趣旨とする。土地の所有者として登記されている者・その相続人などが、対象となる土地の所在地を管轄する法務局の筆界特定登記官に対して、筆界特定を申請する。また、所有者不明の土地が増加しているため、地方公共団体も申請できる。

(2)宅建業法
①重要事項説明における「水害ハザードマップ情報」の追加
「水害ハザードマップにおける対象物件の所在地」についての説明が、売買・貸借ともに義務づけられた。
②IT重説(テレビ会議等を利用する重要事項説明)の全面的解禁
IT重説は、2017年10月1日から貸借の媒介・代理に限って運用されていたが、売買等を含む「すべての取引」で利用できるようになった。
③宅建士証における旧姓使用の取扱い
宅建士証に旧姓を併記することが可能となった。旧姓が併記された宅建士証の交付を受けた者は、業務においても旧姓を使用できる。

(3)都市計画法
町村が定める都市計画
市だけでなく「町村」についても、知事の「同意が不要」となった。知事との「協議のみ」で一定の都市計画を策定できる。


2.税法のポイント

(1)不動産取得税・固定資産税
不動産取得税と固定資産税は、特例措置とともに、両者の相違点を確認しましょう。

免税点
不動産取得税 土地 10万円未満
家屋 建築(新築・増改築)に係るもの 23万円未満
その他(売買・交換・贈与)に係るもの 12万円未満
固定資産税 土地 30万円未満
家屋 20万円未満


不動産取得税の特例措置
課税標準 税率 税額
住宅 新築住宅
(床面積50㎡以上240㎡以下)
1,200万円控除
宅地等 固定資産課税台帳登録価格×1/2 特例適用住宅用地
一定額を減額


固定資産税の特例措置
課税標準 税率 税額
住宅 新築住宅
(床面積50㎡以上280㎡以下)
床面積120㎡までの居住部分
固定資産税額×1/2
宅地等 小規模住宅用地(200㎡以下)
固定資産課税台帳登録価格×1/6
一般住宅用地(200㎡超の部分)
固定資産課税台帳登録価格×1/3


(2)登録免許税
住宅用家屋の軽減税率について、適用要件を確認しましょう。

住宅用家屋の軽減税率
①自己の居住用の家屋に限定(床面積50㎡以上)→法人・土地には適用されない
②新築後または取得後1年以内に登記を受ける場合
③贈与による取得には適用されない


(3)贈与税
直系尊属からの住宅取得等資金の贈与に関する特例を確認しましょう。

非課税の特例
非課税限度額 一般住宅1,000万円・省エネ等住宅1,500万円
受贈者の合計所得金額 2,000万円以下
①基礎控除・②相続時精算課税については、それぞれ重複適用可能


相続時精算課税
1年間の贈与財産の合計額から2,500万円を差し引いた残額に対して20%の課税をして,
差し引いた分の2,500万円に対する課税は相続時(贈与者の死亡時)まで繰り延べる
※相続時精算課税を選択すると,暦年課税はできなくなる
取得する住宅の床面積 40㎡以上
受贈者の合計所得金額 規定なし(所得金額とは無関係)


(4)所得税
特例措置とともに、「特例相互の重複適用」を確認しましょう。また、消費税増税やコロナ禍による影響を反映して、住宅ローン控除期間を13年間に延長する特例が新設されています。適用要件は、個人が「令和元年10月1日から令和4年12月31日までの間」に、取得した住宅を居住の用に供した場合です。さらに、単身者用の住宅取得にも配慮して、合計所得金額1,000万円以下の者が取得した住宅については、床面積要件を40㎡以上と緩和しています。

所有期間 課税標準 税率 税額
規定なし 3000万円特別控除(居住用財産)
5000万円特別控除(収用交換等)
短期税率(30%) 住宅ローン控除
5年超 長期税率(15%)
優良住宅地の軽減税率
10年超 買換え等の特例
(課税の繰延べ)
居住用財産の軽減税率
(6,000万円以下10%)


特例相互の重複適用
①3,000万円特別控除(居住用財産)+居住用財産の軽減税率
②5,000万円特別控除(収用交換等)+居住用財産の軽減税率
③住宅ローン控除+5,000万円特別控除(収用交換等)
④住宅ローン控除+居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控除