【通関士】
輸出入してはならない貨物



こんにちは。
TAC通関士講座 講師の井下奈緒美です。
当地では桜もちらほら、咲き始めています。
あっという間に3月も終わりの週になり、新年度がやって来ます。

関税法も折り返し地点に来ました。
1回の講義のボリュームがあって、復習が大変かと思います。
しかし、あと1月ほどで1週間の講義数が倍になってくるので
今のうちに、積み残しのないようにコツコツ続けましょう。

さて、今回はちょっと内容が濃くて難しいと思う「輸出入してはならない貨物」。
通関時のお話ながら、特殊な場面が多くて覚えにくい分野です。
講義でお聞きになっていることと被りますが、
直前期にもよく質問がある部分について書きますね。

① 疑義貨物について、税関長が知的財産権等を侵害しているか否かを
認定する認定手続について。

この手続きは差止申立てを契機として、始まることもありますが、
権利者等の申立てがなくても、職権で税関長が行います。
職権で手続きを執る場合には経験や専門的な知識が必要になります。

差止申立てという、自分の権利についてよくわかっている権利者等から
情報を得ていれば(証拠提出や意見陳述など)より、税関長は侵害事実を
発見しやすくなりますので、差止申立てという制度があります。

いずれの方法でも、認定手続きはあります。

②「貨物点検」という輸出入どちらにもある制度と
輸入にのみ規定のある「見本の検査」。
それぞれの相違点はテキストで確認してください。

貨物点検は字義の通り、貨物の外装を改める程度の事ですが、
この行為で証拠提出等が可能ならば、見本の検査の承認はおりません。
承認の要件はテキスト記載の通りですが、
こちらは見本に対して、分解したり性能試験を施したりするものです。

紙面上、ポイントのみになりますが、
③ 差止申立ての際の担保提供者と通関解放の際の担保提供者。
担保の種類や、任意担保なのか強制なのか、など。

立ち位置が逆になりますので、自分が輸出入者の立場だったら、
或いは権利者の立場だったら?と置き換えて考えると、
わかりやすいと思いますよ。

それでは、次回は風薫る5月にまたお目にかかりましょう!